世代別調査で見る「年賀状じまい」「年賀状スルー」事情 50代の半数が“やめる”と回答
60代は“やめた”7割でも平均20枚超え 70代以降は平均28枚も“続ける”の圧倒的強者感
とはいえ、ここまでの世代では「もらった/出した」というやりとりの平均枚数が1桁台だった。つまり、やめるも続けるも、1年にたった数枚の話――それが60代以降では様相が変わる。何しろ60代でも一人当たり20枚超え、70代以降では30枚近い数のやりとりをしているのだ――。
「枚数はかなり減少したが、今年は80枚程度やりとりした」(香川県・65歳男性)というツワモノは「まだ年賀状は出すつもり。毎年の行事であり、大学時代の友人の近況も知りたいので続けて行きたい」と気をはく。
「年賀状じまいは、まだしていない。2~3年後に考えたい」(奈良県・67歳男性)という年賀状じまい予備軍にせよ「45枚もらい、51枚書いた」とボリュームをこなす。
「意味がない」(京都府・63歳男性)からすでに年賀状じまいをしたものの、「今年も10枚来た」という例も。60代では“やめても来る”事例が多く、といって、それをスルーもできずに、結果、やりとりの平均枚数は多いままキープしているようだ。
そして70代~80代は、シンプルに年賀状文化が継続中。“続ける”が“やめる”を上回ったのは、全世代でこのゾーンのみだ。
「近況報告なので、最小限は必要」(東京都・76歳男性)、「1年に1度の安否情報」(岡山県・72歳)、「元気便り」(東京都・82歳男性)、「生きている証明」(東京都・84歳男性)
など、アナログ世代にとっては“コミュニケーションツール、情報発信ツール”としての役割がいまだ大きいことがうかがえる。今回のアンケート協力者の最年長である、茨城県・84歳男性は「年賀状じまいはまだ」であり、今年は「100枚」のやりとりがあったと教えてくれた。
大幅に減少したとはいえ、いまだ10億7,000万枚も発行されている年賀はがき。国民1人当たり8・6枚を使う計算だ。これを下支えしているのは、割合も多く、年賀状じまいも不要の団塊世代を中心とした“70代以降の人々”であると言っていいだろう。
それぞれの世代で、思いはさまざま。いつか年賀状が“エモい文化”として再び脚光を浴びる日も来るかもしれない。その日まで年賀状文化を絶やさぬよう、スルーせずに向き合い、いまからでも寒中見舞いを出してみては?
[3/3ページ]