世代別調査で見る「年賀状じまい」「年賀状スルー」事情 50代の半数が“やめる”と回答

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 2025年も松の内が明け、年賀状シーズンが終了した。ここから立春までの“寒中見舞い”で年賀状への返信をすませる家庭も少なくないだろう。

 はがきの郵便料金が63円から85円に大幅値上げをした、初の正月。帝国データバンクによると、コスト削減や環境保護の観点などから、49.4%の企業が2025年までにすでに「年賀状じまい」を終えており、そのうち“今年から年賀状を送ることをやめる”と回答した企業は17.0%にも上ったという。

 また、日本郵便株式会社は2023年に14億4,000万枚あった年賀はがきの発行枚数が2024年には10億7,000万枚となり、25.7%減少したと発表。さらに2025年1月1日に配達した年賀郵便物数は2024年に比べて、34%減ったことを公開した。

 企業をはじめ、年賀状という文化そのものが、どんどん縮小している昨今。では実際、各家庭での“年賀状事情”は今年、どのように変化したのか? 10代から80代までの全国200人男女にアンケートを実施した。

10代~20代でのやりとり平均は1人当たり2枚以下 約半数の10代は年賀状文化そのものがない

「一度も年賀状を書いたことがない。年始のメールのみ」(北海道・17歳女性)、「過去もこれからも年賀状は出さない」(兵庫県・16歳女性)など、“そもそも年賀状を出した経験がない”人の割合が半数近くあった10代。「もらった/出した」やりとりの、1人当たりの平均枚数も1・2枚と圧倒的に少ない。

 個人情報の載ったクラス名簿が配布されない令和の今どき10代は、互いの住所も知らず「LINEのご挨拶で終わり」(栃木県・17歳女性)。年始といえど、デジタルでのやりとりに終始するのが一般的だ。

 年賀状については「別にいらない」(福岡県・15歳女性)、「めんどくさい」(山口県・17歳女性)といったドライな意見が多数を占めるなか、

「大変だし、相手の住所がわからないと出せないけど貰えると嬉しい」(東京都・17歳女性)、「もらうと嬉しいけれど書くまでが手間。でもなくなっては欲しくない」(栃木県・17歳女性)といったプチ擁護派の意見や、

「1年を始めるうえで大切なもの。今年は15枚書いた」(千葉県・18歳男性)という声も散見した。

 次いで“1人当たりのやりとりの平均枚数”が2・4枚と少なかったのは20代。“年賀状じまいをすでにした”“今年で終わりにした”と答えた人の割合が約8割と、最も多かったのもこの世代だ。

 10代との違いは“そもそも年賀状を出した経験がない”と答えた人が10人に1人と少数派であったこと。20代の多くはかつて年賀状を出していたのだ。

「ここ5年ほど出していない」(宮城県・21歳女性)、「8年前にやめた」(兵庫県・23歳女性)などの声から察するに、15~16歳くらい、きっとスマホを持ち出したくらいのタイミングで年賀状を卒業し、LINEやDMでの年始挨拶にシフトしていった人が多かったのかもしれない。

 また「引っ越して一人暮らしを開始するタイミングで終わりにした」(東京都・25歳男性)といった声もあり、進学や就職などライフステージの変化にともなう“年賀状からの卒業”も考えられる。

 ほか、10代~20代に見られた声として「ファンクラブから来る年賀状は嬉しいが、それ以外は正直いらない」(群馬県・16歳女性)、「年賀状じまいはしたが、ファンクラブからは1枚きた」(東京都・27歳女性)といった“推し活に限り”年賀状文化を受け入れる姿勢も。令和ヤングと年賀状は、親和性がちょっぴり低そうだ。

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