“柔術世界王者”芸人を巴投げで「角田夏実」に囁かれる最強伝説 女子48キロのレジェンド「ヤワラちゃん」の全盛時とどちらが強いか

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谷亮子と角田夏実、どっちが強いか?

 昨夏のパリ五輪・柔道女子48キロ級で金メダルを獲得した角田夏実(32)の活躍が止まらない。年末年始の特番では、その身体能力を生かして大活躍だった。「大晦日オールスター体育祭」(TBS)では木村拓哉(52)とのペアで「プレッシャーアーチェリー」に優勝すれば、壁を押し合う力比べの競技「パワーウォール」では、同五輪女子レスリング76キロ級金メダルの鏡優翔(23)とペアを組み、東京五輪・男子柔道100キロ級金メダリストのウルフ・アロン(28)らを破って優勝した。

 圧巻だったのは、本業の柔道。1月2日放送のテレビ朝日系「夢対決2025 とんねるずのスポーツ王は俺だ!!」で、東京・パリ五輪の柔道男子66キロ級で連覇を果たした阿部一二三(27)率いる芸能人軍団と、1対4で対戦した。メンバーは柔道初段のキャイ~ン・ウド鈴木(54)、現在も道場に通う柔道二段のハマカーン・浜谷健司(47)、格闘技歴20年以上のドランクドラゴン・鈴木拓(49)、ブラジリアン柔術・世界大会王者のガリットチュウ・福島善成(47)。

 制限時間6分以内に全員から立ち技か寝技で一本取れば角田の勝ち。芸能人軍団は防御のみというルールだった。結果はウド、浜谷、福島には得意技の巴投げで一本勝ち、鈴木には粘られたものの、最後は押さえ込んで一本。残り時間31秒で4人を撃破し勝利を収めた。

「ウドさんと浜谷さんの2人が43秒で秒殺されたのは想定内でした。ただ、鈴木さんと福島さんは柔術歴が長く、防御だけに回られたら苦戦は必至だろうと思っていたのですが……。案の定、鈴木さんには粘られたものの、手堅く勝利。福島さんはもともと柔道の強豪高出身で、平常時で角田さんより25キロほど体重が重いし、パワーがハンパないので、厳しいかと思われました。しかし、柔術のテクニックもマスターしている角田さんは、積極的に寝技でも攻め込み、最後は巴投げで仕留めました。巴投げの使い手であることが知られているのに、それでも決めてしまう。もはや神業です」(スポーツ紙の五輪担当記者)

 角田は日本柔道史上最年長の31歳11カ月で五輪初の金メダルを獲得。同階級では04年アテネ五輪のヤワラちゃんこと、谷亮子(旧姓・田村)さん(49)以来の金メダルとなった。

 谷さんは中学生だった15歳のときに国際大会で優勝して一躍脚光を浴び、その実力と愛らしいキャラで国民的スターになった。92年のバルセロナ、続く96年のアトランタは銀メダルに終わったものの、「最高で金(メダル)、最低でも金(メダル)」と宣言して臨んだ2000年のシドニーで念願の五輪初金メダルを獲得した。03年12月、当時、プロ野球オリックスの主力選手だった谷佳知さん(51)と結婚。「田村でも金、谷でも金」の名言を残して臨んだ04年のアテネで五輪連覇を果たし、05年の大みそかに長男を出産。「ママでも金」を狙っていた08年の北京は銅メダルに終わったものの、五輪で5大会連続のメダル獲得は、柔道界のみならず、当時の世界のスポーツ史に残る偉業だった。

「10代からすさまじいプレッシャーを受けながら戦い続けていた谷さんは鋼のメンタルの持ち主です。公称146センチの身長は、相手が組みづらく、動きに爆発的なスピードを生み出していました。筋力、スタミナも申し分なく、バリエーション豊富な立ち技に加え、寝技も強い。全盛期はまったくスキがありませんでした。当時の谷さんと現在の角田さん、どちらが強いのか非常に興味がありますね」(元専門誌記者)

 谷さんが出場していた5大会とパリ五輪では、試合時間、勝負が決するまでの「ゴールデンスコア方式」の導入、反則ポイントの厳格化などなど、大きくルールが変わっている。しかし谷さんと角田が試合をした場合、どちらが強いのか? 柔道や格闘技ファンでなくても気になるところではあるが…。

「谷さん時代の旧ルールならば谷さん、パリ五輪ルールなら角田さんが優位でしょう。旧ルールは立ち技の強い選手が圧倒的に優位で、寝技は少しでも動きが止まると『待て』がかかってしまいます。それに対し、パリのルールは寝技の強い選手が存分に実力を発揮できます。角田さんは巴投げを仕掛け、投げられなかった場合でもそこから寝技に持ち込んで仕留めていましたが、旧ルールならば、相手が巴投げをこらえて動きが止まった時点で『待て』がかかっていたでしょう」

 と元専門誌記者がいえば、先の五輪担当記者はこう見る。

「角田さんは柔術を独自に学んで柔道に生かせるテクニックをコツコツ磨きました。谷さんはほかの格闘技を学んでいた様子はなかったので、角田さんの寝技をしのぐのは至難の業ではないでしょうか。場数と経験により、角田さんは谷さんの全盛期を上回っていると思います」

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