初の視聴率3冠王へ テレ朝が“大勝負”をかけた「プライベートバンカー」で唯一気になった“登場人物”
テレ朝の王座獲得が目前
9日に始まったテレビ朝日の新連続ドラマ「プライベートバンカー」(木曜午後9時)は同局にとって大勝負がかかった作品だ。1959年の開局以来、初の年度個人視聴率3冠王がこの作品の成否で決まる。【高堀冬彦/放送コラムニスト、ジャーナリスト】
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年度個人視聴率3冠王を奪取してこそテレビ界の覇者。年度末が約2カ月半後に迫り、テレビ朝日が初めて王座を手に入れるかどうかに視線が集まっている。
局によっては視聴率の結果を年間単位でも出すが、主軸はあくまで年度単位。各局とも決算が年度単位だからである。
どの家 が番組を観ていたかを計測する世帯視聴率も存在するものの、テレビ界、スポンサーは4年半前から使わない。高齢者好みの番組に高数値が偏ってしまうからである。高齢化世帯率が5割を超えてしまったためだ。
TVerの再生数も伸びてはいるものの、その視聴率を第3者機関(ビデオリサーチ)が調べ始めるのは今年10月から。TVerの再生は1人で何度でも出来てしまう上、最後まで再生する人は約7割にとどまっているから視聴率との併用は至難。またTVerの利用率は関東では36%に達しているものの、北海道は4%、中国は5%、四国は3%に過ぎず、広く一般化したとは言いがたい。
目下のところテレビ界の個人視聴率中心主義は動かない。各局のCM売上高も個人視聴率とほぼ比例する。
今年度の上半期(昨年4月上旬~同9月末)の個人視聴率を見てみたい。主要4局に限定した。
■日本テレビ
全日帯(午前6時~深夜0時) 3.3%
ゴールデン帯(午後7~同10時) 5.1%
プライム帯(午後7~同11時) 4.8%
■テレビ朝日
全日帯 3.4%
ゴールデン帯 5.0%
プライム帯 5.0%
■TBS
全日帯 2.7%
ゴールデン帯 4.2%
プライム帯 4.0%
■フジテレビ
全日帯 2.2%
ゴールデン帯 3.4%
プライム帯 3.3%
3位のTBSの場合、ドラマが強く、バラエティも上々だが、爆発力に欠ける。「THE神業チャレンジ」(火曜午後6時59分)のように個人視聴率が3%前後(世帯5%弱)から伸びないバラエティもある。ファンの声援は熱いが、「ラヴィット!」(月~金曜午前8時)も個人視聴率は1%強(世帯3%弱)で朝の情報番組の中では大苦戦を強いられ続けている。
2010年度まで7年度連続で、世帯視聴率の3冠王だったフジは全体的に元気がない。特に「ぽかぽか」(月~金曜午前11時50分)は放送開始から3年目に入っても個人視聴率が1%台前半(世帯2%台後半)にとどまっており、全体の数字を押下している。
テレ朝はゴールデン帯では日テレに0.1%劣るものの、昨年12月1週、同2週で週間個人視聴率3冠王を獲るなど勢いがある。年度個人視聴率3冠王は射程圏内だ。
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