河村たかしの赤坂宿舎入居に同僚議員はあぜん 「“国家によるリフォーム詐欺”と批判していたのに」

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 疑惑を追及された政治家の“迷言”といえば、「記憶にございません」。久々に永田町へ返り咲いたこの御仁も、同様の言い訳をするのだろうか。かつて税金の無駄遣いを舌鋒鋭く批判していた日本保守党の共同代表・河村たかし氏(76)。その言行不一致を問う。

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 昨年末、都心に建つ衆議院赤坂議員宿舎への入居が決まった際、河村氏は自身のSNSでこう呟いた。

〈すごい警官警備の衆議院赤坂宿舎。入ることにしました。ご理解してちょうだいね。〉

 名古屋市長を退き、先の衆院選で当選した河村氏は、約15年ぶりに国政の舞台へ帰ってきた。都内23区に住居を持たない国会議員なら、用意された宿舎に入るのは何ら問題ないはずだが、わざわざ〈ご理解してちょうだいね〉などと言い添えたのはなぜか。

 それは河村氏が、件の宿舎を“議員特権だ”と批判してきたからに他ならない。

庶民派政治家のはずが……

 振り返れば2007年、新しく建て替えられた赤坂議員宿舎は、昨今の裏金問題のごとく批判にさらされていた。その当時、家賃は82平方メートルで約9万2000円。相場の5分の1という破格の安さに加えて、ジムなどを併設した豪華な造りが世間からひんしゅくを買ったのだ。

 政治部デスクによれば、

「現職の衆院議員だった河村氏は、テレビに出演しまくって、名古屋弁で笑いを取りながら、議員宿舎を徹底批判していました。何より視聴者の喝采を浴びたのは、抗議の意味で議員宿舎に住まなかったこと。千駄木にある家賃7万5000円のアパートに越したんですが、自らマスコミに間取りまで公開していました」

 当時、「週刊新潮」の取材に応じた河村氏は、こう息巻いた。

「ぜいたくをする者は、議員じゃありません。格差が広がり、税金の無駄遣いが問題と言われているのに、こんな豪華宿舎を建てるのはおかしい。これじゃ、国家による一種のリフォーム詐欺です。庶民の愛国心も育つわけがない」

 宿舎批判で一気に知名度を上げた河村氏は、庶民派政治家としての地位を不動のモノにしてきた。それが前言撤回、宿舎入居に理解を求めるとは、厚顔無恥も甚だしい。

「思想や信念がない」

 しかも、今回の入居に際しては同僚議員に不義理まで働いていたというのだ。

「河村さんが早々に宿舎入居を決めたことで、彼と同じ日本保守党の新人・竹上ゆうこ議員の入る部屋が無くなってしまったんです」

 そう明かすのは、さる永田町の事情通である。

「衆院の宿舎は会派議席占有率に応じて割り当てが決まっているんですが、河村氏を含めて3人が当選した日本保守党は部屋数が足りなくなってしまった。困った竹上氏は、自ら動いて部屋数に余裕のあった国民民主党に融通してもらい事なきを得たんですがね。本来、政党間で部屋を貸し借りする場合は、党幹部同士が交渉して書面を交わすのが筋なのに、河村氏は新人の竹上氏に“自分でなんとかせぇ”と言い放ち、世話になった国民民主に対しても、事後に“頼むわね”の一言で済ませた。同僚議員たちはあぜんとしていましたよ」

 都合当選6回のベテラン議員にして粗雑きわまる振る舞いにはあきれるほかないが、当の河村氏に聞くと、

「昨年の衆院選後も殺人予告が届きました。金づちでドアを破壊される事件もあり、セキュリティーが理由で入居しました」

 民主党で事務局長を務めていた政治アナリストの伊藤惇夫氏が言う。

「その時代に合った言動で耳目を集めては、選挙に勝ってきたのが河村さん。維新や小池都知事と組んで三都物語構想をぶち上げたり。それが今は日本保守党でしょう。常に話題作りがうまい人で、裏を返せば思想や信念がないのです」

 綸言汗のごとし。この人にそんなことを言っても今さら意味ないか。

週刊新潮 2025年1月16日号掲載

ワイド特集「笑う門には福来たる」より

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