10億円窃盗の三菱UFJ元行員・今村由香理容疑者の素顔とは? 義父は「ごくふつうの嫁でした」
昨年12月、三菱UFJ銀行の半沢淳一頭取が会見で陳謝した通り、「信頼・信用という銀行ビジネスの根幹を揺るがす」事案である。何しろ、同行の女性行員は、東京都内2支店の貸金庫から4年半にわたって現金や貴金属を盗み続けたのだ。被害は顧客約60人分、時価で総額十数億円に上る。
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義父はみずほ銀行の元行員
この“事案”が発覚したのは昨年10月末のこと。以来、2カ月半を経て、ついに警視庁は今村由香理容疑者(46)を窃盗容疑で逮捕した。
「貸金庫の契約者から被害届の提出を受け、捜査2課が捜査を行い、 1月14日の逮捕にこぎ着けました」
とは社会部記者。
「発覚翌月に懲戒解雇となった今村は、銀行の聴き取り調査を受けつつ都内の自宅で家族と生活を送っていた。東証スタンダード上場のメーカーに勤める夫と、夫の父親の3人暮らしです。80歳前後の義父はみずほ銀行に勤めたのち、都内の不動産管理会社でリタイア。近ごろは体調が思わしくないこともあり、今村は自宅を離れられなかったようです」(同)
容疑者は埼玉県出身。都内の私立短大を卒業し、
「1999年4月の入行後は主に、支店で窓口業務にあたる営業課で勤務してきました。長らく地道に勤務したことが評価され、支店で営業課長などを務める傍ら、貸金庫業務もほぼ一人で任されるようになっていたのです」(同)
“窃盗メモ”を作り……
犯行に至った背景は、自身の懐事情だ。
「FX取引で出した損失を穴埋めするためです。加えて、現金をFXなどの投資にも流用していたとも。“窃盗メモ”を作り、損失穴埋めに奔走しつつ通常勤務をしていた。並みの神経では耐え切れないと思うんですけどね」(前出の記者)
FX地獄に窃盗工作。容疑者はのっぴきならない状況にあったが、義理の父親はこう語るのだ。
「これまで、そんなそぶりはまったく感じられませんでした。私にとって彼女は、銀行に勤めている、ごくふつうの嫁でした」
実は、今村容疑者が銀行業界を揺るがす犯行に手を染めるまでには“過去の経験”も暗い影を落としていた。1月16日発売の「週刊新潮」では、巨額な借金の穴埋めに奔走し続けた彼女の半生に迫り、親族の証言を交えて詳報する。