“完全にクロ”でも斎藤元彦知事が強気でいられるワケ 「百条委員会にも“知事大好き”な人がいる」「事実上、議会にできることはない」

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伝家の宝刀を抜いたのに

 報告書の内容がどうであれ、最大の問題は、斎藤知事を議会がそれ以上追及する有効な手段がないことだ。

 日本大学法学部の林紀行教授(地方自治論)は、

「百条委員会の目的は何かを調査することにあり、誰かを罰するためではありません。告発文書の問題をはじめ、兵庫県の行政が適切に進められていたのかを検証することこそ委員会の本義だったはずです」

 と前置きし、さらに次のように指摘する。

「知事に対する不信任決議は議会の持つ一番強いチェック機能です。本来は百条委員会の後に不信任決議を行うべきだったのですが、昨年、議会はすでにその権限を行使してしまった。結果、斎藤知事は選挙を経て再任しており、事実上、議会にできることはありません」

 この点、斎藤知事の代理人・奥見司弁護士も本誌(「週刊新潮」)に対して、

「正直、なぜ百条委員会をやっているのか。まったく意味が分かりません。百条委員会は司法の場ではないのですから事実認定には限界があるし、何も決めることができません。第三者委員会で十分なんですよ」

 と強気の発言。先の県議が嘆息して言う。

「百条委員会の限界を感じています。伝家の宝刀と言われていた百条委員会の権威は失墜するでしょうね」

週刊新潮 2025年1月16日号掲載

ワイド特集「笑う門には福来たる」より

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