「前回から1年以内に解散するなんてあり得ない」 終わらない“裏金問題”にあえぐ石破首相の「衆参ダブル選」言及に公明党幹部が苦言

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衆院選の余波も

 別の同党幹部が解説する。

「自民新潟県連は参院新潟選挙区(改選数1)にシドニー五輪の競泳銀メダリストの中村真衣を擁立します。ところが、後ろ盾だった鷲尾英一郎前衆院議員が先の衆院選で落選した影響で、資金面で窮地に陥っています」

 自民党では、次期参院選の候補者の多くが同様の悩みを抱えているとされる。

「中村の擁立は鷲尾が強引に決めたもの。彼は旧民主党や民進党から移籍してきた“外様”なので、県連内に鷲尾や中村に同情する人はほとんどいませんね」

公明党幹部の冷ややかな視線

 各都道府県の全域が選挙区となる参院選では、政党の組織力が当落を左右する。

「平成24年に政権復帰して以来、自民党が4回の参院選で勝利を重ねてきたのは、衆院議員や地方議員がフル稼働したから。安倍晋三元首相は衆参同日選をチラつかせて、衆院議員の危機感をあおるのが得意でした」

 その点、石破首相は昨年暮れに出演したテレビ番組で「参院と衆院の時期が同じであったとしても、同時にやってはいけないという決まりはない」と衆参ダブル選に含みを持たせた。が、公明党幹部は冷ややかだ。

「ウチは都議選と参院選に集中したい。同日選論は支持者の引き締めには有効でも、前回から1年以内に解散するなんてあり得ない」

 石破首相は近く、東京・赤坂の衆院議員宿舎から首相公邸に転居する。いつまで主でいられるか――。

週刊新潮 2025年1月16日号掲載

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