箱根駅伝を観て「おっと、ウチの母校は何位かな?」 学生スポーツが盛んな「名門大学出身者」のふるまいにイラっとする
猛烈な違和感
決して自身の出身校を誇らないのだ。こうして考えてみると、「文武両道校」出身者のイヤミさというのは突出しているのだが、理由の一つはメディアにそれら学校出身者が多いのもイヤミ的態度と報道に表れているのではないだろうか。具体的に言うと早稲田大学と慶應義塾大学である。
2023年、夏の甲子園大会で慶應義塾高校が107年ぶりに優勝したが、慶應OBのはしゃぎっぷりがハンパなかった。フェイスブックでは、会社を休んで応援に行ったことを報告し、「塾生の活躍には気が引き締まる思いだ」なんて書く。コメント欄にも「アルプススタンドで肩組んで『若き血』を歌う経験ができてよかった」と書く。メディアにしても、丸刈りの生徒だらけの高校と比較し、慶應の生徒は自由な髪形で個性を発揮している、なんて好意的に取り上げる。
この時、慶應に対する報道姿勢やOBの発言を見て猛烈な違和感を覚えた。本来、夏の甲子園に出場するチームは、その県の期待を背負い、県民から応援されるものである。県予選の時は同じ市の地元校を応援していたものの、いざ全国となれば、代表となったその高校を応援する。私は佐賀県大会で友人の息子が野球部に所属する北陵高校を応援していたが、同校が負けた後は結果的に代表となる鳥栖工業に期待をしたし、甲子園でも同校を応援した。
少し羨ましい
一方、慶應については、神奈川県民から聞かされたのが「我が県の代表という感覚がない」という言葉だ。「なんかさ、慶應の関係者が勝手に盛り上がってるだけで、置いて行かれたような気持ち。横浜高校や桐蔭学園、東海大相模だったら応援する気になるんだけどね……。不思議な代表だった」と同氏は続けた。
古くは2006年、早稲田実業の斎藤佑樹投手が「ハンカチ王子」と呼ばれ大フィーバーを巻き起こしたが、これも早稲田だったからOBのメディア人が過度に推した面もあっただろう。ちやほやし過ぎるものだから、決勝の相手・駒大苫小牧の田中将大があたかもヒールであるかのような扱いになった。だが、プロとしての結果はマー君の圧勝。
私が会社員時代もこうした「文武両道校」出身者は、裏でMLを駆使して、甲子園大会の時に会議室に集合して野球観戦をするなどしていた。「仕事しろ!」なんてことは思ったものの、「まぁ、これも私が生涯かかっても手に入れられない一つの楽しみか」とモヤモヤする気持ちはありつつ、要は少し羨ましいのである。いずれにしてもこの手の「学校マウンティング」がなくなるプロ野球シーズン、早く到来してくれ~。
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