高値が高値を呼ぶ「令和のコメ騒動」は2025年も続くのか? 業者も「コメがどこにあるか分からない」と嘆く“コメ不足”の根本的要因

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コメを手元に置く農家が増えている

 令和のコメ騒動を思い出してほしい。スーパーにもドラッグストアにもコメがない事態に、消費者はどうしたか。ふるさと納税の返礼品に指定する、ネット通販で農家から直接買うなど、あの手この手でコメを調達する人がいた。

 その結果、これまでにあったJAを経由して店頭でコメを買うという商流がかき乱されてしまった。消費者と直接つながる農家は増えている。コメの産地では、これまで出入りしなかった集荷業者が現れていると聞く。

 集荷で最も力を持つのがJAで、その集荷率は2023年産米で前年並みの54%だった。JAはコメを潤沢に持っているというこれまでの常識が、2025年は通用しないかもしれない。2024年産米でこの集荷率を維持するのは、難しいだろう。

 商流の変化は、「米の消費動向調査結果(令和6年11月分)」にも表れている。これは公益社団法人・米穀安定供給確保支援機構が公表している。伸びたのが「縁故米」と呼ばれる「家族・知人などから無償で入手」と、「インターネットショップ」だった。

 米価の高騰で家計が苦しいと被害者意識を持つ消費者もいる。否定はしないが、高騰の一因は消費行動にもあるのだ。

 続いて(2)生産者や流通業者による保管や囲い込み――要は、売り惜しみ――である。令和のコメ騒動で米価が上がった結果、これが起きた。今後もっと米価が上がるかもしれないから、それまで手元に留めようという動きだ。

 稲作農家の経営の規模は拡大している。小規模な農家は一般的に収穫したコメを秋にまとめて売り払う。大規模になると、大きな倉庫を整備する農家が少なくない。年間を通じて出荷できる体制を作り、販路を広げたり、相場が上がったときを狙って出荷したりする。

 そうしたなかに、今後も相場が上がるとにらみ、コメを手元に置く農家が相当数いるとみられる。もちろん、売るタイミングを間違えれば損をする。だから、年明けのコメ相場の情報を固唾をのんで見守る農家は多いはずだ。

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