誕生45周年「パックマン」はZ世代の心を掴むか? すでにオッサン世代は大興奮で「他の名作でも周年キャンペーンを!」の声

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エンドレス周年キャンペーン

 こうなればナムコ4部作を同級生同士で1種類ずつ購入し、誰かの家でこれらゲームに勤しむようになる。もう少し上の世代はゲームセンターでの熱狂を経験し、我々世代はファミコンでのこうした「みんなでワイワイ」的思い出があるため、45周年企画を心から嬉しく思うのである。

 さて、冒頭で「今回の企画が成功した後の期待」と書いたが、一体それは何か。同様の企画の連続開催である。パックマンは1980年発売だから今年が45周年。2026年以降も綺羅星のごときナムコ発ゲームが、45周年を迎えるのである。

 2026年は1981年発売の「ギャラガ」「ニューラリーX」。2027年は1982年発売の「ディグダグ」、2028年は1983年発売の「ゼビウス」と「マッピー」、2029年は1984年発売の「ドルアーガの塔」。2020年代になってもNintendo Switchのダウンロードやスマホアプリ版でも人気の名作が次々と45周年を迎えるのだ。

 そして、2030年には、満を持してパックマンが50周年を迎える。だったらバンダイナムコは「パックマン50周年記念キャンペーン」をやってほしい。そして翌年以降も上に挙げたゲームが50周年を迎えるという「エンドレス周年キャンペーン」を展開することができ、毎年我々オッサン・爺さん世代は歓喜するのである(笑)。もう「100周年」までやってください。

毎年周年企画をやってほしい

 結局この世代が最も購買力があり、11月に発売され大ヒットした「ドラゴンクエストIII」HD-2D版のようなリメイク作がなんだかんだいって売れる。ドラクエについては「I」と「II」のリメイクも発表された。漫画の世界でも、「キン肉マン」の続編も人気がある。

 恐らくこの世代は「テレビ・漫画・ゲームの分野で同じソフトを皆で楽しんだ」ことを長きにわたって経験した世代ではなかろうか。30代以下の人々は、多様過ぎる娯楽の選択肢を持ち、全国で皆が同じことをした、といった経験は少ないだろう。それこそ、フジテレビの「月9」ドラマが全盛の時代、月曜21時には飲み屋から女性は消え、彼女達は自宅でテレビの前にいた。そして、翌日に職場でドラマの感想を同僚と話し合っていたのである。

 ナムコの45周年企画は、オッサン世代の特に男性にあの懐かしき平和な時代を思い起こさせる企画である。だから、勝手な願望だが、「毎年周年企画やってください~! グッズとか買います!」と言いたくなるのだ。ちなみに筆者は未だにニンテンドーDSで「ナムコミュージアムDS」をプレーしている。当然PSの「ナムコミュージアム」も買っている。

中川淳一郎(なかがわ・じゅんいちろう)
1973(昭和48)年東京都生まれ、佐賀県唐津市在住のネットニュース編集者。博報堂で企業のPR業務に携わり、2001年に退社。雑誌のライター、「TVブロス」編集者等を経て現在に至る。著書に『ウェブはバカと暇人のもの』『ネットのバカ』『ウェブでメシを食うということ』『よくも言ってくれたよな』。最新刊は『過剰反応な人たち』(新潮新書)。

デイリー新潮編集部

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