「これまでで最も可能性がある」衆参ダブル選は本当にあるのか 創価学会が首を縦に振らない最大の理由
石破首相が言及
石破茂首相がその可能性に言及したことでにわかに持ち上がってきた「衆参同日選挙」。近年においても何度も可能性が取り沙汰されてきたが実際には行われず、過去に行われたのはわずか2度で、いずれも1980年代の出来事だ。今回も可能性の話にとどまるのか、あるいは実際に検討され、場合によっては実行に移されるのか、現時点の見立てをレポートする。
石破首相が衆参同日選、つまりダブル選に言及したのは昨年末の民放番組においてだった。その際に石破氏は「政府として“こういう予算や法律が正しいと思う”と説明し、審議しても、国会に“ダメだ”と言われた場合、国民に決めてもらおうというのが憲法の仕組みだ」「参議院選挙と衆議院選挙を同時にやってはいけないという決まりはない」などと述べた。
「1月から始まる通常国会で、内閣不信任決議案が可決されたり予算案が否決されたりするなら、7月投開票が想定される参院選にあわせた衆参同日選を行うこともあり得るという考え方を示した、ということでしょう」
と、政治部デスク。
過去2度は1980年と1986年に行われた
石破氏は一方で主要野党と連立を組む大連立にも言及している。
「いずれも可能性について触れただけで石破氏のリップサービス的な“性格の良さ”が出た発言なのではと総括されています。本音はわかりませんが、ダブルや大連立を表で口にしたところでインパクトがあったり牽制になったりということはあまりないかと。ただそれでも、毎年のように取り沙汰されても実行されないことが続いたダブル選ですが、今回は実行される可能性として“ないわけではない”と見ています」(同)
ダブル選は過去に2度、1980年と1986年に行われ、いずれも与党・自民党が圧勝している。1980年は選挙期間中に大平正芳首相が急死し、事実上の弔い選挙となった。1986年は中曽根康弘首相(総裁)の在任4年目の出来事で「死んだふり解散」と呼ばれている。
「この2例をもって与党に有利だという説が根強く流布し、戦後最長となった安倍政権時代にも常にダブルの可能性が取り沙汰されましたが、実行されることはありませんでした」(同)
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