視聴率8.3%で復活!「マツケン」「GACKT」共演が話題の「新・暴れん坊将軍」は民放時代劇“冬の時代”を塗り替えるか?
民放ゴールデンに時代劇復活はあるか
今作の放送により、シリーズ、スペシャル版を合わせた放送回数は833回となり、同じ俳優が演じた単一ドラマとしては故大川橋蔵さん主演のフジテレビ系「銭形平次」の888回に次ぐ長寿番組となったが、今後も続編はあるのか。
前出の放送担当記者によれば、「銭形平次」、「水戸黄門」(いずれもTBS系)など、長く人気を得る時代劇には必要な要素と流れがあるという。
「まずは分かりやすい勧善懲悪。そして将軍が市井に溶け込むなど、あり得ない主人公の設定。悪人の跋扈から怒濤の結末、そしてハッピーエンド……という鮮やかな流れです。その点、『暴れん坊』の新作は、冒頭でいきなり吉宗が悪だくみをする若年寄りを成敗。吉宗のみならず、嫡男・家重も身分を偽り庶民の暮らしにまぎれ情報交換するという、ほかの時代劇ではまったくあり得ない設定でした。最後は吉宗と共に、家重も悪を成敗します」
父・吉宗が悪党を前に「余の顔を見忘れたか」といえば、長男・家重も「オレの顔を見忘れたか? ま、覚えちゃいねえか」とやるくだり、これは新パターンとして定着するかもしれないと思ったファンも多いのではないだろうか。
「視聴率的にもうまくいっただけに、各局の時代劇制作を少なからず後押しすることになったのではないでしょうか。ただ途中で、ホストの売掛金による女性の借金問題を江戸時代になぞらえたエピソードを挟んでいましたが、時事ネタを連想させる要素は『暴れん坊』には必要ないなと思いましたけど」(同)
令和に「暴れん坊将軍」が復活。かつて、民放各局は「水戸黄門」のほか、フジ系の「鬼平犯科帳」、日本テレビ系の「長七郎江戸日記」、「桃太郎侍」などがGP帯でしのぎをけずっていた。オリジナルが難しいなら、名作のリメイクをぶつけて時代劇で独壇場となっているNHKの牙城を崩してほしいものだ。