視聴率8.3%で復活!「マツケン」「GACKT」共演が話題の「新・暴れん坊将軍」は民放時代劇“冬の時代”を塗り替えるか?
視聴率は同時間帯で2位
1月4日、松平健(71)が主演を務める人気時代劇シリーズの最新作「新・暴れん坊将軍」(テレビ朝日系)が放送された。平均世帯視聴率は8.3%(ビデオリサーチ調べ、関東地区、以下同)。同時間帯トップだったフジテレビ系「土曜プレミア枠」の菅田将暉(31)主演、「ミステリと言う勿れ」の8.9%に迫る勢いだった。
「このところ、フジが13歳から49歳までの男女を対象とした『コア視聴率』を重視しているのに対し、テレ朝は“お堅い”番組が多く、50代~60代向けの番組が多数を占める。互いの局のターゲット層に向けた番組をぶつけ合った結果、嵐・二宮和也がMCを務め、阿部寛(60)、広瀬すず(26)ら豪華ゲストが出演したトークバラエティー番組『ニノなのに 新春SP』(TBS)の6.5%を上回りました。オリジナルの新作で勝負したテレ朝としては、満足できる結果だったのではないでしょうか」(放送担当記者)
1978年にスタートした「暴れん坊将軍シリーズ」は、松平演じる江戸幕府の八代将軍・徳川吉宗が、貧乏旗本の三男坊「新さん」こと徳田新之助として庶民の暮らしに紛れながら、江戸にはびこる悪を斬る痛快時代劇だ。08年12月29日のスペシャル以来、17年ぶりとなるシリーズ最新作は、「クローズZERO」シリーズや、「土竜の唄」シリーズで知られる鬼才・三池崇史監督(64)がメガホンを取り、脚本はNHK連続テレビ小説「あさが来た」(15年)、大河ドラマ「青天を衝け」(21年)などを手掛けた大森美香氏(52)が担当した。
「テレ朝では昨年から、月~木曜の午前4時から過去の『暴れん坊将軍』を再放送していますが、同時間帯の視聴率占拠率は、日本テレビとTBSのニュース番組と競い合いながらも18~21%あたりをキープしています。その数字を見て『イケる!』と思ったテレ朝編成の幹部が、17年ぶりのシリーズ最新作に松平さんを担ぎ出したそうです。また、BS朝日でも月~金曜日の朝8時から再放送しており、昨今の『マツケンブーム』も追い風となりました。とはいえ、最近のゴールデン・プライム帯(午後7~11時、以下GP帯)の時代劇は、NHKの大河ドラマぐらいしかなかったので、大きな賭けではあったはずです」(民放編成局スタッフ)
旧作を懐かしむ声も
今作は、吉宗の治世となってから20年以上を経た江戸の町が舞台になった。オリジナルシリーズでは若き将軍だった吉宗もいよいよ還暦を控え、“世継ぎ問題”に直面することに。長年培ってきたシリーズの世界観や魅力はそのままに、後継問題に揺れる吉宗と江戸城内の人間模様、さらには城下町で起こる陰謀渦巻く難事件を、新たなキャラクターと時代性を加えて描いている。
しかし、この17年の間にシリーズには欠かせない2人の“功労者”が旅立ってしまった。
「前作まで絶妙なナレーションで作品を盛り上げた若山弦蔵さんが21年5月に死去したため、今作のナレーションはベテラン声優の千葉繁(70)さんが担当。千葉さんといえば、17年1月にテレ朝で放送された特番『人気声優200人が本気で選んだ!声優総選挙!3時間SP』で第20位に選ばれたこともあり、放送開始直後からネット上で話題になりました。また、前作まで音楽を担当した菊池俊輔さんも21年4月に死去。今作には関わることはできませんでしたが、吉宗が白馬に乗って波打ち際を疾走するオープニングシーンとテーマ曲は見事に再現されていました」(テレ朝関係者)
余談だが、菊池氏といえば「キイハンター」「Gメン75」から「タイガーマスク」「バビル2世」「ドラえもんのうた」「ぼくドラえもん」など数多くのテレビ番組音楽を手がけている。だが、なんといっても壮大なイントロで始まる「暴れん坊将軍」のテーマ曲は忘れることはできない。
松平以外の主要キャスト陣も08年版からほぼ、一新された。
吉宗に従う老齢の幕臣で、「爺」と呼ばれる加納五郎左衛門忠久役は伊東四朗(87)から小野武彦(82)、江戸南町奉行の大岡忠相役は大和田伸也(77)から勝村政信(61)、町火消し・め組の初代頭・辰五郎役は堺正章(78)から生瀬勝久(64)、その妻・おさいは岡本麗(73)から高島礼子(60)に受け継がれた。さらに、吉宗の嫡男で九代将軍となる家重役のなにわ男子・西畑大吾(27)、父の敵として吉宗に敵意を抱く旗本・本間要次郎役の小澤征悦(50)、虎視眈々と将軍の座を狙う徳川御三家・尾張藩七代藩主・徳川宗春役のGACKT(51)らが投入された。
「長年のシリーズファンとしては、爺といえば、やはり初代の有島一郎さんのイメージが強いのではないでしょうか。喜劇俳優出身ですが、あのひょうひょうとした、それでいていざという時は威厳を伴う爺の存在は最高でした。あと、やはり辰五郎は演歌界の大御所・北島三郎(88)がおなじみで、北島さんの歌う歴代のエンディングテーマも耳に残っているはずです。ちなみに、め組の二代目頭・長次郎役を北島さんの弟子の山本譲二さん(74)が演じたこともありますが、その妻・おぶん役は元アイドルから参議院議に転身し、外務大臣政務官を務める生稲晃子氏(56)が演じていたのも懐かしい」(同)
これまた余談ついでに、「暴れん坊」を愛するオールドファンのコメントを。
「相変わらず、健さんの立ち回りは見事でした。でも、斬られながら松明を手に倒れこんだり、倒れるかと思ったら健さんを二度見してバタッと倒れたりと、抜群の“斬られ方”をする福本清三さんがいないのは寂しい感じがしましたね」
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