「熱いお湯に入るのは間違い」「冬に飲むべき飲料は…」 冬の健康対策4選とは

ドクター新潮 ライフ

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玄関、窓の対策は

〈生命の危険をもたらす冬の低温。とはいえ、外の寒さはいかんともし難い。そこで、屋内の低温をいかに解決するかが私たちにとって最優先の「冬の健康対策」となるわけだ。

 新たに高断熱高気密住宅を建てたり、リフォームをしたりするのが根本的な対策であるのは言うまでもないが、先立つものがないという方にも手はある。〉

 岩前氏が続ける。

 大がかりなリフォームなどはできないという人には、より手頃に、DIYで部分的な断熱をする方法もあります。

 例えば、家の中で最も低温の箇所の一つは、ドアの隙間から外気が入り込んでくる玄関です。玄関から廊下を通ってリビングなどに冷気が回り、家全体が低温になってしまう。これへの対策の一つは、玄関とリビングなどをつなぐ廊下にカーテンを引き、外気の侵入をそこで一定程度遮断することです。

 また、大きな窓がある部屋では、そこから冷たい外気が入ってきて部屋の中を低温にしてしまうことがあるので、ファンヒーターなどを、部屋の中に向けてではなく窓に向かって置く。そうすることで、外気が中に入ってくるのを押し戻すのも一つの手でしょう。

 リビングで過ごしやすくするために電気カーペットを敷いている家庭もあると思います。より暖かさを感じたいと考えて、電気カーペットの上に別のふわふわのカーペットや毛布を重ねている人もいるのではないでしょうか。しかし、これは逆効果です。電気カーペットの熱を上からふさぎ、床下に押し戻してしまっているからです。もし毛布などを敷くなら電気カーペットの下です。そうすることによって、床下に熱が逃げていくのを防ぐことができます。

七つの健康作用

〈屋内の低温対策をきっちりと行う。その上で、冬場の縮こまった身と心を癒やしてくれるのがお風呂だ。

 温泉療法専門医で東京都市大学人間科学部教授の早坂信哉氏は、お風呂や温泉について25年超に亘って研究。のべ約4万人の入浴を調査してきた“お風呂ドクター“として知られる。

 早坂氏が入浴、すなわち湯船に漬かる健康効果について語る。〉

 私たちのチームが65歳以上の高齢者1万4000人弱を対象に追跡調査を行った結果、毎日湯船に漬かっている人は、週2回以下しか漬からない人と比べて、3年後に要介護になるリスクが29%も低いことが明らかになりました。なぜ入浴は、このような劇的な健康効果をもたらすのでしょうか。

 お風呂に入ることで体が温まることは誰もが知っているでしょう。しかし、入浴の健康作用は「温まる」も含めて代表的なものだけで七つもあります。

(1)温熱作用

(2)静水圧作用

(3)浮力作用

(4)清浄作用

(5)蒸気・香り作用

(6)粘性・抵抗性作用

(7)解放・密室作用

 要介護リスクの低下は、これらの作用がもたらす効果の総合的な結果といえるでしょう。

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