「イカゲーム2」は本当に駄作なのか? 海外メディア酷評もNetflix世界91の国と地域で1位

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豪華なキャスティング

「豪華なキャスティングをそろえグローバルな課題を取り込んだ『シーズン2』は、『シーズン1』とは別ドラマととらえたほうが良さそうです。『シーズン1』は社会から取り残された貧困層が互いに争い合う悲劇とアイロニーに軸足を置いていたのに対し、『シーズン2』は社会的弱者を争い合うように仕向ける権力者の存在に迫っています。残酷な銃撃シーンに目を背けてしまう視聴者は多いでしょうが、韓国の男性は兵役があるので銃の扱い方に慣れているという韓国の事情もあります」(前出の放送ライター)

 韓国ならではの事情といえば、米有力紙「ニューヨーク・タイムズ」(4日付)のコラムでは、非常戒厳令を宣言して弾劾訴追案が可決された尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領に対する市民の抗議集会が続いていることに触れ、「『イカゲーム』が激動の歴史を経た若い民主主義国家である韓国で誕生したことは偶然ではない。この作品は世界的な右傾化をとらえた素晴らしい実験である」と高く評価しており、人気の後押しとなっている。

 ドラマ評論家がこう指摘する。

「『シーズン2』が支配層に対するドラスティックな市民蜂起を描いたとすれば、『シーズン3』は社会的弱者が強者になった場合の混迷や道徳心、またその逆のケースの絶望感など矛盾とその相克が描かれるのではないでしょうか。今年夏ごろの配信といわれている『シーズン3』こそが『イカゲーム』の神髄になると予想しています」

 前シリーズがあまりに大ヒットし過ぎた反動から続編への“ダメ出し”が目につくが、結論を出すのは夏まで待った方が良さそうだ。

デイリー新潮編集部

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