「イカゲーム2」は本当に駄作なのか? 海外メディア酷評もNetflix世界91の国と地域で1位

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展開がやや大味

 世界的な大ヒットとなった「シーズン1」の成功要因について、海外ドラマに詳しい放送ライターはこう分析する。

「韓国の伝統的なゲームと残酷なサバイバルを融合させたデスゲームの演出が新鮮で、現代社会の不平等や道徳の揺らぎを反映したストーリーに幅広い共感が集まりました。悪役であるフロントマンや運営者、他の参加者たちも個性的でしたし、それぞれの人生の背景が物語を引き立てていましたね。全9話とも絶え間ない緊張感が維持され、次に何が起きるのか分からない展開、そして終盤のどんでん返しが衝撃的で視聴後も話題が尽きませんでした」

「シーズン2」は、シリーズの主人公であるソン・ギフン(イ・ジョンジェ)がイカゲームの背後にいる人間を見つけ出し残酷なデスゲームに終止符を打とうと決意。「シーズン1」で勝ち取った莫大な賞金50億円を自らの信念のために惜しみなく投入し、ゲームを終わらせるため再びイカゲームに参加することに……。

 こうした主人公の劇的な“キャラ変”には抵抗があるようで、一部メディアは「説得力に欠けている」などと指摘。だが、「シーズン1」のラストシーンでは、主人公がイカゲームの運営者に強い怒りを抱き、米国行きの飛行機に搭乗しないまま踵を返して戻る姿がしっかりと描かれていた。この流れからすると、主人公が悪の組織の内部に入り込み壊滅させるための戦闘モードに入っていく姿は容易に推測できるはずだ。

 そのせいもあって、「シーズン2」で描かれる主人公は、借金にまみれ競馬場で賞金をすられて落ち込む影の部分は大幅に割愛されている。また、「シーズン1」が全9話だったのに対し、「シーズン2」は全7話と少なくなっているため、展開がやや大味になっているきらいは捨てきれない。

 ただ、「ザ・グローリー ~輝かしき復讐~」(2022年)で悪役を演じたパク・ソンフンが性別適合手術を受けるトランスジェンダーの「120番ヒョンジュ」、「ミセン~未生~」(2014年)で知られるイム・シワンは暗号通貨投資に失敗したインフルエンサーの「333番ミョンギ」、元BIGBANG(ビッグバン)のT.O.P(トップ/チェ・スンヒョン)は暗号通貨投資失敗で没落した薬物依存のラッパー「230番サノス」を演じるなど現代の社会的課題を強く意識している。

 また、元IZ*ONEのチョ・ユリは投資詐欺に遭った妊婦「222番ジュニ」役で出演。インスタグラムフォロワー数は約160万人だったが、配信から約2週間過ぎた現在は401万人と220万人も激増している。

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