令和の子どもたちが「長渕剛」や「チャゲアス」を熱唱する意外な理由 「古い曲の方がカラオケで歌いやすいんです」

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歌い継がれていく名曲たち

 古い歌を知っていることについて振り返ってみたが、私が小学生の時、1945年生まれの父親がカーステレオに入れていたカセットテープは五輪真弓とアリスだった。その2組の歌は知らず知らずのうちに覚えるようになっていったのと同じことかもしれない。そして、彼らが古い歌を歌う理由を聞いたら、こう分析をしてみせた。

「おじさんたちの好きな曲ってカラオケが今よりもずっと流行っていた時の曲だから、歌いやすく作られていると思います。新しい歌はもっとメロディが難しかったり、ヒップホップ調だったり難しいので、僕は古い歌の方が歌いやすいです。ただ、新しい歌も聞きます。歌わないだけです」

 カラオケのDAMが1月5日に発表したカラオケの週間ランキングでは4位に「サウダージ」(ポルノグラフィティ・2001)、6位に「残酷な天使のテーゼ」(高橋洋子・1995)、10位に「小さな恋のうた」(MONGOL800・2001)が入った。トップ20でも14位は「白い恋人達」(桑田佳祐・2001)、16位に「世界中の誰よりきっと」(中山美穂&WANDS・1992)、19位に「チェリー」(スピッツ・1996)と、中高年世代にお馴染みの曲が入った。

 ゲームのダウンロードランキングでは古いゲームがこんな上位に入ることはあまりないものの、歌の場合であれば、古い歌でもランクインする。正直、21世紀も四半世紀を迎えたところで、1980年代や1990年代の曲を子ども達が歌う日が来るとは思ってもいなかったのである。若き世代が長渕やサザンを歌っている現状があるが、彼らの名曲は長きにわたって歌い継がれていくことであろう。

中川淳一郎(なかがわ・じゅんいちろう)
1973(昭和48)年東京都生まれ、佐賀県唐津市在住のネットニュース編集者。博報堂で企業のPR業務に携わり、2001年に退社。雑誌のライター、「TVブロス」編集者等を経て現在に至る。著書に『ウェブはバカと暇人のもの』『ネットのバカ』『ウェブでメシを食うということ』『よくも言ってくれたよな』。最新刊は『過剰反応な人たち』(新潮新書)。

デイリー新潮編集部

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