パリパラ銅「道下美里」がブラインドマラソンの世界に飛び込んだ理由 「生きている意味が分からなかった」気持ちを一変させた出来事とは(小林信也)
12月1日の第55回防府読売マラソンは、第25回日本視覚障がい女子マラソン選手権が併催されていた。
東京パラ2020金メダリスト、パリでも銅メダルを取った道下美里もスタートする一団の中にいた。
好天に恵まれ、少し暑いくらいの冬の午後、防府市陸上競技場で道下の帰りを待った。3時間を少し過ぎて道下が伴走者と競技場に戻って来た時、大会関係者の一人が、小走りで本部席に伝えた。
「道下さん帰ってきました。道下さん、帰ってきた!」
歓喜がにじみ出ていた。...