「横浜流星」はまだ主役には早すぎた? 「べらぼう」が歴代ワースト視聴率で幕開けした“3つの理由”

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元宝塚トップスターと現役セクシー女優の競演

「度肝を抜かれたのは番組中盤、愛希れいか(33)演じる情念河岸の女郎・朝顔が亡くなり、投げ込み寺で彼女と折り重なるように衣類を剥ぎ取られてうつ伏せになった4つの遺体でした。元宝塚月組トップスターである愛希の姿にも驚きましたが、彼女と共に並んでいたのは現役セクシー女優の吉高寧々(29)、与田りん(21)、藤かんな(35)ですから、ネット上はオープニングのスタッフロールの時点でザワついたそうです」

 ほかにも、後の“鬼平”こと若き日の長谷川平蔵(中村隼人=31)が引手茶屋で「やらせろ」「やらせない」なんて押し問答するシーンもあった。

「嫌悪感を持った視聴者も少なくないでしょう。投げ込み寺のシーンも『女性視聴者にやさしい作りになっていない』と感じた人もいたはずです。メインキャストの小粒感と相まって、べらぼうな視聴率を記録したのだと思います」

 もっとも、吉原に生まれた蔦屋重三郎を描くのに吉原を出さないわけにはいかない。ちなみに、亡くなった朝顔が働いていた吉原最下層の女郎屋があったのは西側の情念河岸で、東側には羅生門河岸というものもあり、客を蹴転がしてでも引き入れることから“けころ”と呼ばれた。この壮絶な世界を描いた落語が「お直し」で、昭和の名人・古今亭志ん生は1956年にこの噺で文部大臣賞(現在の芸術祭賞)を受賞した。当時、志ん生は「郭の噺で賞をいただくとは大臣さんも粋ですな」と語っている。

「粋なドラマにしてもらいたいところですが、吉原の現実を描くにはそうもいかない。大河の全話平均のワースト視聴率は1964年の東京五輪を描いた2019年放送の『いだてん~東京オリムピック噺~』の8・2%でしたが、それを下回る可能性もあります」

 そういえば「いだてん」のナレーションは志ん生(ビートたけし&森山未來)だった。

「タイトルの語感も似てますね。ともあれ『べらぼう』のほうは第2話以降もプラス材料が見つけにくい。時代背景も没入しにくく、共感も得られそうもない。文字通りべらぼうな作品になる恐れがあります」

 ちなみに「べらぼう」の語源は、一説には穀物を潰す“ヘラ棒”が訛ったものだとか。穀潰しにならぬことを祈る。

デイリー新潮編集部

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