「大谷翔平さんから何度も『宇宙人はいますか?』と聞かれた」 宇宙飛行士・野口聡一が語る大谷の「知的好奇心のすごさ」
「リハビリの最中も、悩んだり苦しんだりという素振りはなかった」
来季は投手としても活躍が期待される大谷は、手術した右肘のリハビリ中だが、
「宇宙飛行士も、地球に帰還すると、重力に慣れるためにリハビリが必要ですが、大谷さんから『リハビリはどのくらいかかりますか』『具体的なリハビリメニューを教えてください』みたいな質問を受けたことがありました。自身がけがの克服に苦労していたせいもあるでしょうが、知的好奇心が旺盛なことに感心しました。そういえば、リハビリ真っ最中の彼にも会っていますが、悩んだり苦しんだりといった素振りをみじんも見せない。そのブレない姿勢にも驚きました」
危機を乗り越える力
思えば、今季の大谷は波瀾(はらん)万丈だった。新天地ドジャースに移籍しながら、開幕早々、通訳の野球賭博事件が露見。自身初のワールドシリーズでは、走塁時に左肩を故障するも、シリーズ制覇まで出場を続けた。
「大統領選の遊説先で狙撃されたトランプ氏の人気ぶりを見ても分かるように、アメリカ人は“危機をどう乗り越えたか”を評価する。今季の大谷さんもしかりで、アメリカ人は彼に対してスカッとするカタルシスを感じたように見受けられます」
危機を乗り越える力――それは、宇宙飛行士にとっても不可欠な能力だった。
「われわれも、危機的状況に陥った時、想定外の状況に遭遇した時、いかに落ち着いて、かつブレずに目標に立ち向かえるか、が肝要。その点も大谷さんは素晴らしいと思います」
野口氏から太鼓判を押された大谷。もしかして将来は宇宙飛行士になれる?
「いや、あと10年くらいしたら誰でも宇宙に行ける時代が訪れます。真美子さん、なんならデコピンも一緒に宇宙旅行できますよ。そのときは、私が添乗員として同行したいですね」
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