「チェッカーズ」「ホットロード」に憧れて…Z世代のインフルエンサー「阪田マリン」が明かす“昭和レトロ”にハマった理由
ホットロードに憧れて
「作品に出てくる不良達を見ていると、だんだん『自分を隠さずに、ツッパって生きた方がいいのかな?』と思うようになって。新しく出会う友達には、思い切って昭和のものが好きだと伝えることを決めて、高校生活をスタートさせることにしたんです」
高校時代は“一匹狼”でいることが美徳とされる“ツッパリ”の流儀に傾倒し、スケバンを意識したロングスカートを穿いて登校し、暴走族の青春を描いた人気漫画『ホットロード』に憧れてガソリンスタンドでアルバイトを始めるなど、自身が思い描く当時の若者のような青春を過ごしていたが……。自分の好きなものを積極的に発信する阪田の前に、昭和のことを熱く語り合えるような友人が現れることはなかった。
「私と同じような平成生まれの昭和好きは果たして存在するのだろうか?」
そのような疑問を感じるようになった阪田は、高校入学を機に持つようになったスマートフォンを片手にSNSのアカウントを開設。
「平成生まれの昭和好きはいますか?」、「チェッカーズが好きな17歳です。みんなよろしく!」などと呟いて共通の趣味を持つ知人を探して交友を深めた。
そうして阪田は作り上げた現代らしさを残しながら昭和の要素を取り入れていく“ネオ昭和”の世界観は、やがて同世代や実際に昭和を経験された方からの支持を集めることとなった。
SNSのDMでデビューが決定
アルバイトの合間に耳にするラジオの「聴いた内容を考えながら映像化していく」魅力に気付かされた阪田は、高校卒業後は大阪芸術大学放送学科に進学。SNSの発信を続けながらも、ラジオパーソナリティになる夢を叶えるべく、充実した日々を過ごしていたが……。コロナ禍が忍び寄る2020年の春に転機が訪れる。
昭和のアイドルになりきる動画を投稿したところ、約190万回再生を記録。その発信が、現在は阪田のマネージャーを務める事務所スタッフの目にとまった。
「事務所からのオファーは、インスタグラムのDMで送られてきました。最初にDMが送られてきた時は『何か怪しいな……』と思ってしばらく返信せずにいましたが、きちんと会社のことを調べてみると、B’zさんとかも所属されているので『きっと大丈夫だろう……』と思って。一度会社に行って話を聞いてみることにしたんです」
その後「昭和が好きな若者を探していた」という事務所の思いに触れた阪田は、芸能活動を開始。インフルエンサーやザ・ブラックキャンディーズとして、“ネオ昭和”の魅力を発信している。
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