「逆に送るのが迷惑になるのではないか」 年賀状“仕舞い”が今年は急加速 1人当たり約4通に

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「みんな苦しんでいる」

「今年から、年賀状を出すほうがむしろ迷惑になるってくらい、返事が返ってこない」「ご年配の方ならず普通に同年代もどんどん年賀状仕舞いしていて、逆に送るのが迷惑になるのではないか」「年賀状が届くと単純に嬉しいけど、みんなもう他人様のためには頑張れない」「やめない人のせいでみんな苦しんでいる」。SNSには年賀状をめぐる悩ましい声が多数を占めている。いずれも“迷惑”の背景にあるのは物価高における相互の経済的負担だ。

 反対に、「年賀状今年で終わりにしますって連絡を年賀状でもらう。我が家は引き続き出す予定」「もらう分にはまったく気にしない」のほか、「一種の生存確認なので今後も出します」「商売上、取引先への年賀状はなかなか止められない」という切実な声も。

 一部上場企業で要職を務めた会社社長はこう明かす。

「大手企業の中では率先して経費削減や作業効率化のため年賀状の虚礼廃止に踏み切るところが増えています。気を付けないといけないのは、ビジネスがからみますから取引先企業や先方の幹部に取りやめをきちんと通知すること。例えば『経費節減のため本年度からすべてのお取り引き先様への年賀状送付を控えさせて頂くこととなりました』などと書いたメールを送る、あるいは年賀状だったら末尾に同趣旨の文言を添える必要があります。個人的には安否確認のため特にお世話になった取引先への年賀状は続けるつもりです。LINEで済ますのは私たち60歳前後の世代ではまだ失礼な気がしますね」

 このペースで元日の年賀状送付が減少していくと5年後の2029年には9300万件となり1億を割り込むという。何とも寂しい限りだが、年賀状を負担に感じる雰囲気が広がるなか、「それで良い」とかえってホッとする人が多いのかも。

デイリー新潮編集部

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