5万円チケットが即完売! 「浜崎あゆみ」はなぜ中国で人気があるのか
日本のチケットは1万円
浜崎が16年ぶりの中国ツアーをスタートさせたのは11月1日。上海、成都と続き寧波、広州と、いずれも熱烈な現地ファンが押しかけた。所属するエイベックスによると、もともとデビュー25周年のタイミングで中国公演を企画していたが、コロナ禍などで延び延びとなり、この時期のツアーになったのだという。
しかし、かつてトップ歌手だった浜崎も、日本での人気は落ちつつある。ここ10年近く、シングルチャートの上位に顔を出していない。私生活では2度の結婚・離婚が報じられた。5年前には自身への取材を元にした小説が発売されて話題になったものの、最近のコンサートのチケットは1万円ほどである。海の向こうでは、どんな層が5万円も払ってくれるのだろう。
中国の“あゆ”事情
中国からSNSなどで現地情報を発信している吉川真人氏が解説する。
「中国のayuファンは多くが1970~90年代生まれ。ちょうど、彼女が絶頂期の時に青春を迎え、曲に触れた人たちです。当時出回り始めた海賊版のCDやパソコンで流布したMP3というファイルで浜崎さんの音楽を聴いており、実際、彼ら(彼女ら)に質問してみると“浜崎あゆみの音楽が人生の大事な時期を支えてくれた”と答えるのです」
そのファンたちは今30~50代。余裕でチケットを買える経済力をつけたタイミングでayuが“渡来”してきたというわけか。
ジャーナリストの富坂聰氏(拓殖大教授)が言うのだ。
「振り返れば、浜崎さんがトップ歌手だった00年代初頭は尖閣諸島問題で対日感情は最悪でした。なのに、彼らは家に帰るとネットをつなげて日本の曲を聴いていた。同世代ではいま倉木麻衣さんも大人気です」
干支が二回りほどして、中国にayuブームとは、異なものである。