中学受験する6年生のために下級生の妹や弟も学校を欠席…「文京」、「港」、「中央」、「渋谷」、「千代田」の5区では進学率が「40%」を超える事態に

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23区平均は25・44%

 実際にマンション価格と私立中学進学率のトップ10を比較してみよう。マンション価格の1位から10位を並べ、マルカッコの中に進学率の順位を記した。

【マンション価格トップ10】
1位:港区(2位)
2位:千代田区(5位)
3位:新宿区(7位)
4位:目黒区(6位)
5位:中央区(3位)
6位:文京区(1位)
7位:世田谷区(8位)
8位:品川区(10位)
9位:渋谷区(4位)
10位:江戸川区(23位)

 唯一の例外として江戸川区だけが私立中学の進学率とマンション価格の順位が乖離したが、他の9区は進学率もマンション価格も共にトップ10に入った。では11位以下の進学率を一気に見てみよう。

【11】杉並区(31・82%)、【12】台東区(29・92%)、【13】江東区(26・41%)、【14】北区(25・12%)、【15】中野区(24・54%)、【16】大田区(23・69%)、【17】荒川区(19・49%)、【18】墨田区(18・21%)、【19】板橋区(17・27%)、【20】練馬区(17・17%)、【21】足立区(12・52%)、【22】葛飾区(12・28%)、【23】江戸川区(11・66%)──。

 1都3県の受験率である18・12%を進学率が下回った区は、板橋、練馬、足立、葛飾、江戸川の5区。23区の平均進学率は25・44%で6ポイント以上も上回り、トップ10の平均値でも39・12%と、ほぼ4割という割合を示した。

小1からSAPIXに通学

 中央区に住む50代の自営業者は、今年の4月に長男が小学校4年生に進級する。「中学受験の過熱は、日常生活のなかで感じることも少なくありません」と言う。

「SAPIXという中学受験に対応した塾があります。特に難関校を目指す児童が多いことで知られていますが、中央区では小学校1年生からSAPIXに通わせる保護者がいると知った時は本当にびっくりしました。そうした保護者は子供が幼いうちから中学受験対策を無理矢理に強制しているというより、『席取り』という発想なのです。普通、中学受験に対応した塾には小学校3年生の3学期から通うのが普通で、私にとってはそれでも早すぎる気がします。ところが3年生でSAPIXの入塾テストを受けると不合格になることが珍しくないのです。そのため1年生の時から『SAPIXの教室に席を確保する』ために通わせるというわけです」

 この自営業者の子供が通っている小学校では、6年生に「将来の夢」を訊いたアンケート調査が実施された。公表されたその中の回答の中には「東大文II」があったという。自営業者は中学受験の過熱を象徴しているように思えたそうだ。

 渋谷区に住む40代の会社員には小学校6年生の長男がおり、いよいよ1月から中学受験に挑戦するという。「受験対策のせいで、小学校低学年の頃から学校を休みがちになる児童がいるのを知った時には驚きました」と振り返る。

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