【東電OL殺人事件】“冤罪で15年服役”ゴビンダさんは「補償金6800万円」を使い切っていた 「仕事はしていない」「日本政府にサポートしてほしい」

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1250万円のランドクルーザーを購入

 いや待てよ。18年に本誌(「週刊新潮」)がゴビンダさんに取材した際、確かに、2人の娘は結婚して長女はオーストリア、次女はオーストラリアに住んでいる旨を語っていた。彼女らの結婚費用を負担し、補償金で首都カトマンズ近郊の住宅街に家を建て、約1250万円もするトヨタのランドクルーザーを買ったというゴビンダさんは、

〈いい車に乗っていい家に住んでいるのだから、私は豊かに暮らせていると思います〉

 と話していたのだが……。

「いえ、事故もしたのでトヨタの車は売って、いまはインド製の小さい車に乗ってます。2人の孫もできましたが、娘たちは一緒にいないので、4階建ての家も売って、3年前に2階建ての家に移りました。奥さんと一緒に暮らしています」

「仕事はしていない」

 慎ましい生活へと転じたその背景に、母国の不景気もあるという。

「コロナ禍の後、ネパールは経済的に状況が悪くなっています。物価も高くなって、外国に出稼ぎに行く人も増えました」

 もともとは自身も出稼ぎでの来日。で、帰国後は、

「仕事はしてないです。いまの家がある住宅街で、庭造りや木を植えたりするボランティア活動をしたりしていました。この年で定年になってるみたいな感じでヒマです。稼ぎがいいと聞き、土地転がしもやってみました。でも、うまくいきませんでした。仕事や商売をしようと思っても、できてないです」

 なるほど、お金が消えるはずである。

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