中3殺傷「平原政徳」が殺人容疑で再逮捕 刺殺した少女と「同じ年頃の娘を可愛がっていたのに…」“優しいパパ”の人生が暗転した瞬間

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「当時はもっと太っていた」

「平原くんが中高生のころ、頻繁に通ってくれていました。いつも予約もなしにフラッとやってくる。痩せていてすらっと背が高い寡黙な青年という印象でした。少し遊ばせる感じの短髪にしていて、高校卒業後に来店した時は当時流行っていた“ベッカムヘア”を注文する、ごく普通の青年でね。口数は多くないけど、こちらが話しかければちゃんと返してくれる子でしたよ」

 オーナーによれば、平原容疑者は2009年5月に28歳で結婚し、同年娘が生まれている。平原容疑者が結婚後に家族と暮らしたアパートの近隣住民は、結婚生活の一端を垣間見ていた。

「5年ぐらい前にここを引っ越すまで、小学生ぐらいの小さい娘さんと奥さんと3人で住んでおった。印象に残ってるのは、旦那さん(平原容疑者)も奥さんも、平日の昼間に家にいたこと。旦那さんは、玄関前でタバコをよく吸っていてね。丸くてやや大きめの灰皿を置いていて、玄関の戸に背中をくっつけて寄りかかるような体制でしゃがみ込みタバコを吸ってました。時折、小柄でメガネをかけた奥さんも外に出て、仲良くタバコを吸ってましたよ。二人とも、仕事をしている様子はなく『どうやって生活してるのかな』とは感じました。でも、挨拶すると普通に返してくれましたよ。旦那さんは、にこっと笑ってくれて、物腰が柔らかい印象でした」

「夫婦で娘さんを可愛がる幸せそうな家族」

 事件後に報じられた平原容疑者の風貌は当時と変わっていたという。

「面影はありますが、人相が変わっている。当時はもっと太ってたし、表情もあんなにキツくなかった。ここらの学区になっている小学校は、結構離れてるんですよ。そのためか、午後3時頃になると、旦那さんが白い軽自動車に乗って、下校する娘さんを迎えに行っていた。当時は、奥さんや娘さんを怒鳴るなんて様子は微塵もなく、夫婦で娘さんを可愛がる幸せそうな家族に見えました」(同)

 その後、“幸せそうな家族”は長尾の一軒家に移り住むも、1年以上前に離婚。やがて一人残された平原容疑者が騒音トラブルを起こすようになる。長尾に移った一家に一体何があったのか――。真相を知ると思われる平原容疑者の親戚宅を訪ね、取材趣旨を伝えるも、

「すいません、何もお答えすることはありませんので。申し訳ありません」

 と憔悴しきった様子。働き者の一家に生まれ可愛がられて育ち、やがて、自身も“幸せそうな家族”を築いた平原容疑者。その彼が、なぜ娘と同年代の中学生に刃を向けたのか。いまだに不明な点が多いが、未来ある若者の命を奪った罪はあまりに重い。

デイリー新潮編集部

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