「さようならと言うことすら許されなかった」 “アラン・ドロンと事実婚”ヒロミさんが明かす失意の日々
「ヒロミに会いたい、会いたい」
一人になったヒロミさんが、ドロンの肉声を耳にしたのは3月24日だった。この日はヒロミさんの誕生日で、ドロンは子どもらの監視をかいくぐって電話をかけてきたという。
「アランは声を振り絞るように“独りぼっちだ……。ヒロミに会いたい、会いたい”と繰り返していました」
が、ヒロミさんにはどうすることもできなかった。
ドロンの葬儀は死去から6日後の8月24日に行われた。場所はドゥシーの自宅敷地内の小さな教会で、一般には非公開とされた。
「私は招かれもせず、参列したいとの意向も拒否されました」
アランからの贈り物を身に着けて……
やむなく彼女は、パリ郊外の自宅で一人、愛する人の死を悼むことに。
「23年の7月5日以来初めて、部屋にアランと私が写った写真を飾りました。また、黒のスーツを着て、4年前にアランが私の誕生日に贈ってくれた、真珠のネックレスを身に着けました」
ネックレスはドロンがかつて日本を訪れた際、自身の母に購入したものだった。
「アランはこれをプレゼントしてくれた時、愛にあふれたメッセージカードを添えてくれた。いまもドゥシーには返却してもらえない私物が数多く残っています。ネックレスとカードもその一つでしたが、4月にアヌーシュカがネックレスだけを返してくれたのです」
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