古市憲寿が振り返る小倉智昭さんとの最後のひととき 「自宅へ行って政治の話題で盛り上がって…」
「昭和22年生まれは首を絞めても死なない」
かつて小倉智昭さん、高田純次さん、稲川淳二さんを指して、そんな軽口をたたかれていた時代があったという。その話を小倉さんから聞いたのは「とくダネ!」が終わってしばらくしてからのことだった。すでにがんとの闘病は始まっていたが、症状はだいぶ落ち着いていた時期だ。僕はひどく冷静に「きっと小倉さんに何かあった時、僕はこの話をエッセイに書くのだろう」と思いながら聞いていた。それくらい「何か」が訪れるのは、まだずっと先だと信じていた。...