「外様への反発だけではない」ソフトバンクで育成出身選手の流出が止まらないワケ 甲斐の巨人入りに“ノーモア城島”…次は「周東」の声

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苦い記憶が甲斐移籍を想定

 プロ野球の今オフのフリーエージェント(FA)市場で、ソフトバンクから国内FA宣言した甲斐拓也捕手(32)と石川柊太投手(32)が巨人、ロッテにそれぞれ移籍を決めた。2022年オフには千賀滉大投手(31)がメッツに海外FA移籍した。育成出身の選手の流出が止まらない現状に、残る育成出身の主力クラスである周東佑京外野手(28)についても近い将来、チームを去るのではないかとの観測が浮上している。

 昨年末、11年に育成ドラフト6位で入団した甲斐は巨人入りの決断を説明する談話を、以下のように発表した。「今の自分があるのは間違いなく、ホークスに育てていただいたおかげです」とソフトバンクに感謝した上で「新たな経験をすることで野球選手としての自分をもっと高めたい、という心境に至り、移籍することを決めました」とさらなるレベルアップを目指しての選択だったことを強調した。

 甲斐は17年から8年連続で100試合以上に出場した。日本代表では昨春のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)優勝や21年東京五輪金メダルを経験。押しも押されもせぬ球界を代表する強肩捕手だ。掛け替えのない戦力を失った直後、ソフトバンクの三笠杉彦ゼネラルマネジャー(GM)は「ダメージがないと言ったらウソになります。ダメージがあるというふうに思います」との感想を述べた。

 一方で三笠GMは「可能性もあると見越して取り組んできた」と早くから甲斐移籍を想定し、後継者の育成に余念がなかったことを強調した。昨季は1軍で甲斐のバックアップとして海野隆司捕手を起用し、2軍では谷川原健太捕手に多くの実戦経験を積ませた。

「特に海野はキャリアハイの51試合に出場することになりました。球団としては、もっと自分が出たいという甲斐の思いを把握しつつも、甲斐が抜けることに備えておく必要性がありましたから」(在京球団の編成担当)

 ソフトバンクが用意周到だった裏には過去の苦い記憶がある。

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