日産との統合にホンダ幹部は「企業文化が失われないか心配」 “戦犯”ゴーンは「成功しない」と言いたい放題
「日産の苦境の一因はゴーン」
だが、こうした見方に異を唱える人物がいる。日産CEO時代の会社法違反(特別背任)で起訴され、保釈中の19年12月末に国外逃亡したゴーン氏だ。氏は24年12月23日午後、3社社長会見に先立って、レバノンからオンライン記者会見に臨んだ。その中で、
「両社には重複する部分が多く、経営統合が実現しても成功するとは思えない」
と指摘。さらに、
「日産のトップマネジメントを見る限り、正直なところ、彼らに現在直面している課題に対処するための適切な才能があるとは思えません。パニック状態になって“助けてください”と言って、日産の最大のライバルであるホンダに頼ろうとしている」
そう言い放ったが、
「ゴーンはCEO時代に開発費を削り過ぎました。結果、売れる新車がなくなり、ブランド力低下を招いた。今日の日産が苦境に陥っている一因は、ゴーンのコストカットにあります」(前出のデスク)
企業文化が失われる
まさに“戦犯”。どの口が言うのかという話なのだが、一方で統合にはホンダ社内からも不安の声が上がっている。
「ホンダは“ワイガヤ”と言って、年齢や地位に関係なく、お互いに思っていることを言い合ってモノを作っていく文化があります。歴代社長も日産と違って、全員、技術畑の出身です。統合の結果、ホンダが“日産ホンダ”になってしまい、われわれの企業文化が失われないか心配。ホンダの良さが失われてしまえば、離職者も出てくるのでは」(ホンダ幹部社員)
もっとも、新持株会社の社長はホンダの取締役から選出されるほか、取締役の過半数もホンダ出身で固める方針だ。
「新会社の主導権はホンダが握ります」(前出のデスク)
日本のモノづくり文化は守られるか。