「大谷翔平超え」の巨額契約で面目躍如…一人でメジャーの勢力図を塗り替えた「スゴ腕代理人」の交渉術とは
謎めいた交渉
また、ボラス氏の交渉は謎めいているという。大半の代理人はマネジメント会社に所属しており、複数のアシスタントやデータマンがサポートに付く。いわば「チーム」で交渉するのが一般的で、ボラス氏の事務所にも大勢のアシスタントが所属しているという。しかし、同氏は球団側と対峙するときはいつも一人で、その交渉術を学んだスタッフの存在は聞いたことがないそうだ。
今オフのメッツとの交渉もそうだった。ソト獲得の交渉では握手を交わしたが、アロンゾの残留交渉では平行線のまま。アロンゾは22年からの3シーズンで120本の本塁打を放っており、これを上回るのはアーロン・ジャッジ(32=ヤンキース)の157本、大谷の132本、カイル・シュワーバー(31=フィリーズ)の131本の3人だけだ。「ソトとアロンゾの2人が打線を牽引して」がメッツの構想であり、それが実現できるかどうかもボラス氏の返答次第となっている。
「ボラス氏はアストロズからFAになった内野手のアレックス・ブレグマン(30)の代理人でもありますが、こちらの残留交渉は失敗です。アストロズはボラス氏の希望額は出せないとし、米FA市場から別選手を獲ってしまいました。ボラス氏は『リーダーシップが取れ、才能のある選手を手放すことで、究極の目標(ワールドシリーズ制覇)から遠ざかっていくことを学ぶことになる』と、批判コメントをスポーツ専門Webサイト『ジ・アスレチック』に寄せていました」(前出・同)
佐々木の代理人であるジョエル・ウルフ氏は、昨年12月31日、オンライン会見に応じ、20球団が獲得を目指していると明かし「佐々木はフェアで公正な競争になることを望んでいる」と語った。代理人の腕次第で環境も待遇も変わるメジャーだが、果たして?