「父親はいじめを放置」「母親も昔から異常性癖を知っていたはず」 鑑定留置中の女児連続殺傷・勝田州彦容疑者 異常な家庭環境、特殊性癖の“原点”を振り返る
成人後、“異常犯罪者そのもの”に
残忍な凶行を繰り返してきた勝田容疑者とはどういう男なのか。
加古川市で生まれた勝田容疑者は、地元の小中学校を経て県内の私立高に進学。卒業後は海上自衛隊に入隊するが、長続きせず。語学専門学校に通った後、米国へ短期留学を果たしたのだが、帰国後はゴルフ場勤務や運送会社のガードマン、工員など職を転々としている。父親は兵庫県警の元警察官で、母親もまた元県警職員。10歳ほど離れた姉は早くに独立したといい、親元に住み続けた勝田容疑者は成人後、“異常犯罪者そのもの”と化していく。全国紙社会部デスクによれば、
「最初の逮捕は21歳だった00年。明石市で10歳前後の女児数人に対し、腹を殴ったりわいせつ行為をしたりして逮捕されています。この時は10件超の余罪を認め、保護観察付きの執行猶予判決でした。続けて09年、姫路市で小学1年の女児の腹を殴り、懲役4年の実刑判決を受けました」
特殊な性癖
そして出所後、前述の「姫路事件」を起こしている。
「この事件の公判では、勝田の異常な性癖が明らかになりました。中学校でいじめられた経験や両親の厳しいしつけが原因で、ナイフで自分の腹を刺したり彫刻刀で腕を切ったりと自傷行為を繰り返すようになったとのことで、出血する様子を見て興奮、快楽にふけっていたというのです」(前出のデスク)
高校入学後は、少女が登場するアニメに傾倒していったという。
「一審判決では、自分の血を見ながら、少女が血を流している姿を想像して興奮を覚えるという性癖が指摘され、“少女のシャツが血で染まるのを見たいという特異な性癖に基づき女子中学生を無差別に狙った”“他害行為への衝動は相当に根深い”などと認定されています」(同)
警察官の採用試験を受けて失敗
前述した09年の事件で出所した後、勝田容疑者は自傷がエスカレートして入院。「姫路事件」を起こす2カ月前のことだった。医師から行為を止められた勝田容疑者は、代わりに「他人を刺そうと思った」と法廷で証言している。
「姫路事件」の公判を16年5月に傍聴した、元兵庫県警刑事の飛松五男氏が言う。
「たつの市や加古川の事件は、私の退職後に発生していますが、早期解決を願って常に関心を寄せてきました。一方で15年に『姫路事件』で勝田が逮捕されたことで、その手口などから残りの2件もこの男の犯行ではないか、と疑いを抱くに至ったのです。実際に、犯行当日の行動を振り返って淡々と証言する姿を目の当たりにし、その思いはいっそう強まりました」
公判では、高校卒業時に警察官の採用試験を受けて失敗したことや、実家を出てマンション暮らしをした時期があり、250万円のローンでワゴン車を購入していた事実など、勝田容疑者の身上が次々と明かされていったという。
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