大人気の樹木葬墓、散骨には注意点が… 費用とメリット・デメリットが分かる「最新お墓ガイド」

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鍵を持たない人は……

 一方、「公園型」「ガーデニング型」「庭園型」の中には、ほとんど樹木がなく、小さな墓石やタイルを墓標とする樹木葬墓地も多くなっています。大地に抱かれて眠るというイメージとはかけ離れてしまいますが、管理のしやすさや、比較的リーズナブルな価格帯で販売していることなどを理由に、近年急速に増えています。

 次に納骨堂です。もともと、従来型のお墓が建つまでの間、骨壺に入った遺骨を屋内で「一時預かり」する場として普及していました。ところが、2000年ごろから、納骨堂そのものをお墓として利用したいという人が増え、永代供養墓としての納骨堂が広がっていきました。

 共用参拝スペースがあり、骨壺は別の棚に納められる「棚型」や、ロッカーに骨壺を納める「ロッカー型」、バックヤードに納められた骨壺がコンピューター制御で参拝スペースに運ばれてくる「自動搬送型」などがあります。棚型だと10万~20万円とリーズナブルで、自動搬送型だと80万~150万円程度が相場です。

 メリットは、外墓地とは違い、屋内にあるので天候を気にせずにお参りできる点が挙げられます。また、都心部にあるものも多いため、立地的にお参りしやすいのも魅力でしょう。

 デメリットとしては、屋内であるため、線香、花、供物に制限があったり、鍵を持たない人の出入りができないため、誰でも気軽にお参りができない不自由さがあります。

 また、永代供養システムとはいえ、納骨堂の建物が将来的に老朽化した時はどうなるのか、自動搬送システムが壊れたらどうなるのか、といったようなメンテナンスの面が、納骨堂の歴史の浅さゆえ読み切れないのも気になるところです。

散骨に求められるマナー

 続いては、昭和の大スターである石原裕次郎さんが亡くなった時に話題になった「散骨」スタイルです。裕次郎さんの遺骨の一部は、生前、故人が愛した海にまかれました。他に山での散骨という選択肢もありますが、山の場合、地主の許可や近隣住民への配慮が必要であるため現実的ではなく、海洋散骨が大半を占めているのが現状です。

 散骨を禁じる法律はないものの、各自治体が条例で散骨してはいけないエリアを指定していたり、ガイドラインを設けている場合があり、どこでも散骨していいわけではありません。加えて、散骨には「マナー」があることを覚えておいてください。

 まず、遺骨は2ミリ以下のパウダー状に砕骨する、花と一緒にセロファンやリボンなどをまかない、漁場や海水浴場は避けるなど、環境や周囲への配慮が求められます。

 また、例えば喪服姿で船着場から遺骨をまいたりすると、散骨していることが一目で分かり、それを見た方の中には不快感を覚える方がいるかもしれません。さらに、穏やかに見える海でも船に慣れていないと揺れが気になると思いますので、散骨の際はカジュアルな服装で乗船することをお勧めします。

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