宇多田ヒカルの母「藤圭子」の人生を変えた“運命の一夜”…健康ランドで歌う“中3の少女”を見出した「銀髪の紳士」の正体
15、16、17と私の人生暗かった――。高度成長期の末、人々が繁栄を謳歌する一方、心を揺さぶられていたのは、貧苦と苦悩の闇底から聞こえてくるような歌声だった。演歌ではなく、“怨歌”歌いと評された藤圭子さん(享年62)。彼女の人生を変えたのは、北海道・岩見沢の健康ランドで起きた「銀髪の紳士」との邂逅だった。またこの出会いは、昭和の歌謡史にとっても運命の転換点である。圭子さんの兄が、家族の目から見た「スター誕生」の瞬間を語った。
(「週刊新潮」2015年8月25日号別冊「『黄金の昭和』探訪」より「『スーパースター』運命の一日 藤圭子:『健康ランド』宴会の余興だった『赤貧歌姫』栄光への脱出」をもとに再構成しました。...