「会いたい人と絶対会えるんです」…3年生存率7%「Dr.コパ」が語る“膵臓癌になって得られた2つの特権”
膵臓癌を患い、3年生存率7%という医師の言葉を受け入れ、癌に抗う風水を試しているというDr.コパ氏(77)。一方、本名である小林祥晃としては、実業家や家庭人の一面もある。万が一の時、そちらはどうするのか聞いてみた。(前後編の後編)
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【写真をみる】「えっ、今こんな感じなの…?」 膵臓がんになっていた「Dr.コパ」現在の姿
――膵臓癌を宣告された時、家族や仕事、自分が死んだ後のことを考える人が多いと思いますが、コパさんは何を思いましたか?
Dr.コパ:僕は女房や子供たちに対しては、ある程度のことはしてきたという自負がありますから、そうした心配はあまりなかった。だから、女房や子供たちには「膵臓癌で3年生存率7%なんだから、その間に俺にやってほしいことを言ってくれ」と訊いたんです。
――家族に希望を訊いたんですか?
Dr.コパ:僕はもう君たちに対して何かを施そうとか、何かをしようなんてことは一切考えてもいないし、遺言書を書く気もない。僕は自分の人生を全うして生きたいだけだから。その中に、君たちに対して何かをするというアイデアはないわけです。もっとも、そう言ってはさすがに失礼だから、「親父、これだけやってくれ」「あなた、これだけはやっておいて」と言ってほしいと。それに関しては最優先でやりますと。
――誤解を受けかねない発言です。
Dr.コパ:家族にしてやれることって、キリがないんですよ。やってあげたいことも、やってもらいたいこともキリがない。こっちの思いだけで一生懸命にやったところで、無駄になることは多いからね。一日でも長く一緒に居てほしいと思う家族だっているでしょう。でも「それが叶わないとしたら、その範囲で何をしてほしいか言ってくれる?」というわけです。この考え方は、癌になった時のアイデアとしていいと思うんですよ。
癌患者の特権
Dr.コパ:たとえば、余命3カ月って宣告される人もいるわけです。その間に、自分にしてほしいことを相手から伝えてもらったら、他のことに関して悩まなくて済む。もし3カ月でできないことだったら、「ごめん。これは3カ月じゃできないから、こういうふうにしておくね」と。死んだ後のことだって、この考え方さえ持っていればいいと思う。
――癌を患ったことを言うか言わないかについても一家言あるという。
Dr.コパ:僕が癌を公表したのは、公明正大に治療ができるから。そして時間の節約も交際の節約もできるからなんです。つまり、何をやるにも、人に会うにも、優先順位をつけても恨まれない。「抗癌剤の治療中なんで、すみません」って言えば済んじゃう。こっちがどうしても会いたい人には電話して「悪いけどさ、来週会いたいんだ」って。「大丈夫ですか?」、「大丈夫じゃないから会いたいんだ」って言うと絶対会うからね。膵臓癌なんて患っている特権ですよ。
――それでも、言いたくない人は少なくない。
Dr.コパ:癌患者はね、隠し立てするのが一番辛いんですよ。悩み込むことは体にも良くないしね。癌を公表すると頼みごとがしやすくなります。「あ、このコパさんのお願い、最後かもしれない」って(思って)言うこと聞いてくれるから。そのくらい癌というものを上手に使えばいいんじゃないですか。
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