今年こそ「新しい趣味」をみつけるべき理由 落ち着いたらゆっくり…という大きな誤解
今後の人生の中で最も若く、気力も体力もあるのは「今」
この「まそほの薄」談義を、趣味への希求と置き換えても、この教訓は十分に意味を持っていることだろうと思います。なんといっても、人生は一度きりです。しかもその人生が、いつ突然終わるか、そんなことは予測できないことにほかなりませんね。
それゆえに、この取り返しのつかない時間を無駄にせずに、やりたい趣味があるならば、もう余計なことをしていないで、すぐにでも着手したほうがいいということです。それなのに、「よし、ひとつ定年になったら、それからゆっくりと趣味を楽しもう」などと悠長に構えていたら、実際に定年になってからの年月も、結局何もせず終わる可能性が大です。
だいいち、いざ趣味を始める気になっても、定年を迎えた途端に病気で入院したり寝たきりになったりしたら、もはや決して取り返しはつかぬことゆえ、悔やんでも悔やみきれません。
自分がいつまで健康で趣味を楽しめるのかなど、誰にも予想がつかないことです。今後の人生の中で最も若く、気力も体力もあるのは「今現在」の自分です。ですから、本気で趣味を始めたいなら、どんなに忙しくても今すぐ着手すべきです。 あれこれ考えているひまに、まずは、とにかく始めることが大事です。
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この記事の後編では、引き続き『結局、人生最後に残る趣味は何か』(草思社)より、林望氏の解説による「自己流でやってはいけない趣味/やってよい趣味」を紹介している。