義両親と二世帯同居も「この人たちは信用できない…」 46歳夫が許せなかった我が子への仕打ち
思わず叫んだ…妻と義両親への不信感
そんな中、ある日長女の具合が悪くなった。義両親は保育園から連絡があったので連れ帰ってきたのだが、それを耀平さんにも瑠莉さんにも連絡しなかった。たいしたことはないとたかをくくっていたらしい。耀平さんはたまたまその数日前から出張で留守にしていたのだが、帰宅したとき、義両親はオロオロしているだけだった。
「長女は息がしづらいようで、よだれがひどかった。早く救急車、と叫んだのは覚えています。瑠莉はまだ帰ってきていなかったから、あわてて連絡だけしました。数日前からどうやら具合が悪かったらしいのに、義両親は保育園に連れていっていたんですね」
病院に搬送され、長女は急性喉頭蓋炎と診断され、そのまま入院となった。あと数日、遅れていたら敗血症などを起こして大変なことになっていたと伝えられ、耀平さんは憤った。
「義両親にも瑠莉にも腹が立って……。義母は『子どもはしょっちゅう熱を出すものだし、次女ちゃんはなんともなかったから』と言い訳していましたが、実際にこんなことになっているんだから一言くらい謝ってもいいんじゃないかと言ってしまいました」
自分が親でありながら私たちに預けているくせにと義母がつぶやいた。それもそうなのだが、他人ではなく、妻の親だからこそ信頼していたのにと彼も小声で言った。
「私が悪いの、ごめんなさいと瑠莉が泣き出しました。『仕事にかまけて、娘たちの命をないがしろにした』って。いや、そんなにと思うほどの号泣ぶりで、とにかく命は助かったのだから、今後はみんなで気をつけようとまとめるしかなかった」
それを機に別居も考えたが、今さら別居も言い出しづらい。しかもあの瑠莉さんの号泣を見てしまうと、さらに瑠莉さんが自分を責めてしまうのではないかと心配でもあった。
「幸い、長女は後遺症もなく完治しました。よかったと思っているとき、妻と義母がこそこそ話しているのを聞いてしまったんです。『私があのとき泣いてことをおさめなかったら、大変なことになっていたわよ。気をつけてよね、おかあさん』って。瑠莉が泣いたのは演技だったのか、よくあんなときに演技する余裕があるなとびっくりしました。思わず、『瑠莉は娘の命より自分と母親の体面のほうが大事なのか!』と叫んでしまった。ふたりともビクッとしていましたが、『娘の命がいちばん大事に決まってるでしょ。ヘンな言いがかりつけないでよ』と逆ギレされて……。なんだかこの家の人たちは信用できないなと思いました」
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