義両親と二世帯同居も「この人たちは信用できない…」 46歳夫が許せなかった我が子への仕打ち
【前後編の前編/後編を読む】マッチングアプリで16年間の夫婦生活が終わった 46歳浮気夫と即離婚、年上妻に「情とかないのか」
人はどんなときに恋に落ちるのだろう。理性で踏みとどまれるわけもなく、気づかないうちに落ちているのだが、それでも最初から遠ざける人、途中で戻る人もいるはずだ。最後まで落ちきってしまう人には、それなりの素地があるのではないだろうか。
【後編を読む】マッチングアプリで16年間の夫婦生活が終わった 46歳浮気夫と即離婚、年上妻に「情とかないのか」
「どうなんでしょうね。はたから見れば、僕はマスオさん状態の結婚生活だったからめんどうなことは多々あったけど、だからといって恋に逃げたつもりはないんです。今さら、何を言っても言い訳にしかならないし、後悔しても始まらない。どこかで戻る選択肢はあったと思いますが……」
安西耀平さん(46歳・仮名=以下同)は自嘲気味にそう言った。現在は小さな木造アパートにひとり暮らしだという。つい半年まで、3人の子と妻と、そして妻の両親と暮らしていたのに。「ひとりも気楽ですよ」とは言うものの、その表情は憔悴していた。
プロポーズに「両親と暮らさなくてはいけないかも」
耀平さんが結婚したのは29歳のときだ。中学時代からの親友がつきあっている彼女と結婚するから紹介したいと言われて会った。そのとき耀平さんは、2年ほどつきあった恋人と別れたばかりだった。
「そうしたら親友の彼女が、『私の友だちの瑠莉に会ってみない? すっごくいい子なのに今、フリーだから』って。気が進まなかったけど、恋の痛手は恋で忘れるしかないとかなんとか言われてその気になって会ってみたんですよ。そうしたら確かに魅力的な女性だった。また会いたいと思う気持ちが積み重なり、つきあって半年後にはプロポーズしていました」
瑠莉さんは耀平さんより2歳年上だったが、笑顔が素敵な女性だった。明るくて、細かいことに悩まず、前向きに自分の人生を切り開くタイプだった。
「僕はけっこううじうじ悩むほうなので、彼女の明るさと堂々としたところがいいなと思いました。プロポーズは受けてくれたけど、『いつになるかわからないけど、もしかしたら私は両親と暮らさなくてはいけないかもしれない。そのときあなたはどうする?』って言ったんです。彼女、ひとりっ子なんですよね。僕は地方出身で3人兄弟の末っ子。実家に帰るつもりもなかったから、近くに住むとか同居するとか、いろいろ方法はあるんじゃないのと言いました。彼女は『そのときになったら考える。それでいい?』と言うのでOKと返事をしました」
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