50歳にして地元で初の冠番組! 「ハリウッドザコシショウ」を“やす子”“バイきんぐ”“錦鯉”が慕う理由「お笑いと心中する覚悟のあるやつは、必ず売れますよ」が

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50代になって

 ザコシショウが「R-1グランプリ2016」で優勝した時、42歳だった。月日が経つのは早いものとはよくいうが、50代に突入したザコシショウ。「芸風はまったく変えない」とはいうが、身体の衰えを感じることはあるという。

「40代まで徹夜は余裕でしたが、最近はしっかり眠くなります。肩も上がらなくなってきているし、体調管理には気を付けています。人間ドックにいって数値が悪かったら、炭水化物を控えるとか。一番長くて、半年くらい続けましたが、さすがにフラフラになりました(笑)」

 パンツ1枚にテンガロンハットという“衣装”なので、お肌の手入れは念入りに?

「いや、一切してないです(笑)。ただ、お腹の出具合は常に気にしています。見た目でいちばん面白く感じてもらえるのが今のお腹の状態なので、腹筋ベルトなど器具を装着して、整えていますよ」

 25年は、現事務所であるソニー・ミュージックアーティスツ(SMA)に所属して25年目になる。所属当時は同社が「お笑い部門」を立ち上げたばかりで、芸人の人数も少なかった。年齢的に自然と「兄貴分」として、後輩の面倒を見るようになったが、その中から今ではバイきんぐ(小峠英二=48、西村瑞樹=47)、錦鯉(長谷川雅紀=53、渡辺隆=46)、やす子(26)など、テレビで見ない日はない芸人たちが数多く育ってきた。そんな後輩たちとの思い出についても聞いてみた。

途中で消えていく芸人は…

 なんといっても、現在のSMAの売れっ子は、やす子だろう。元自衛官という経歴で体を張ったロケも数多くこなし、24年の「24時間テレビ47 愛は地球を救うのか?」(日本テレビ系)ではチャリティマラソンランナーを務めた。本人はインタビューなどで、ザコシショウのおかげでここまで来られたと語っているのだが、

「あぁ、なんか尊敬してくれてるみたいですね」

 ん? なんとも素気ないような感じが……。

「いやいや、実は23年に『ダウンタウンDX』に彼女と二人で出たんです。それでオレが松本(人志)さんに『やす子初めてなんで、見てあげて下さい』と振ったんです」

 やす子は松本に対し「50音で自衛隊のギャグをやります!」と言うと、松本が「じゃあ、“へ”でやってくれ」と応じた。

「そうしたら、完全にテンパって『へでは用意していないです』。松本さんがすかさず『じゃあ、“ふ”ならイケるんか?』『ふ……ふもちょっと』と。結局、松本さんがうまくオチをつけてそのやり取りは終えたんですが、休憩時間にやす子に言ったんです。『即興なんてまだ無理なんだから、完全に仕上がっているネタの方がいいよ』と。本当に、そう言っただけなのに、後日、やす子がオレからすごい説教されたと別のテレビ番組で話して、それがネットでニュースになったんですよ。あれは参ったな(笑)」

 多くの後輩芸人の面倒を見てきたザコシショウだが、途中で消えていく芸人も数多く見てきた。「好きで入った世界なら、とことん突き詰めろ」をモットーにしているザコシからすると、テレビに出て名前が知られるようになっても、下積み時代と変わらずネタを作り、何か面白いことはないかと、常にアンテナを張り巡らせる「努力」を続けることが大事だという。

「それをいちいち言われなくてもできるのが、バイきんぐと、錦鯉なんです。バイきんぐはオレも売れない頃からライブを一緒にやってきたので、あいつらの才能はよくわかっていました。2012年にキングオブコントで優勝しますけど、前年の予選はいいところまでいかなかった。それで毎年やっていた新ネタライブを止めるというので、もう1年やれよと、オレがアドバイスしたんです」

 このライブで生まれたのが、優勝ネタになった「帰省」。そこで小峠が発した「なんて日だ!」はあまりにも有名だが、苦節16年で優勝したバイきんぐにとって、ザコシショウは恩人なのである。

 そして、2021年「M-1グランプリ」優勝した錦鯉も、ザコシショウに深く感謝している。

「長谷川はくりぃむしちゅーさんが好きで、口調も同じようにしていたんです。でも、変に気取らないで、お前のバカさを前面に出せとアドバイスをしたら、つかみの『こ~んに~ちは~』をやるようになって。相方の渡辺は本当に笑いにストイックで、あいつと会うと、こ
の番組が面白い、あのDVDは見たほうがいいと、とにかくお笑いの話しかしません。彼女がどうとか、この前合コンがあってなんて、そんな話は一切なし。だからいまだに渡辺の私生活は分かりません。笑いだけを考えているんです」

 今でもそうだが、ザコシショウは自ら後輩に声をかけることはしない。本当に思い悩み、心から困っている人間は、率先して「ザコシさん、すみません。ちょっとネタ見てもらえないですか」と相談に来るという。

「一人で思いつめているとダメなんです。人の意見を聞くことも大事。少し売れたからって、酒飲んだりギャンブルしたり、なんていうのはダメです。常にネタ作りを考えていないと。消えていくやつは、間違いなくネタ作りが面倒臭くなっています。本当にお笑いが好きで、お笑いと心中する覚悟のあるやつは、必ず売れますよ」

 もちろん、ザコシショウもその一人。2025年もお笑いだけを考えて突き進んでいく。50代のザコシショウには要注意だ。

ハリウッドザコシショウ
1974年生まれ。静岡県清水市(現・静岡市清水区)出身。「R-1ぐらんぷり2016」で優勝。2021~24年にかけて、同大会審査員を務める。趣味はゲーム全般(ファミコン)、音楽鑑賞(テクノ)、スポーツ(プロレス)。話題の政治家、俳優、芸人、アスリートなどを独自の視点で体現するオリジナリティ溢れる「誇張ものまね」は老若男女を問わず幅広い支持を集めている。YouTubeチャンネル「ザコシの動画でポン!」等、出演番組も多数。

デイリー新潮編集部

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