2025年に狙うべき投資テーマは? “女性版ウォーレン・バフェット” が注目する「4つのトレンド」

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破壊的イノベーションその3 「デジタル・トランスフォーメーション」

「デジタル・トランスフォーメーション」について、ウッド氏の説明はこうです。

「コロナ禍では“ゼロタッチ”と“ゼロコンタクト”が非常に重要なトピックとなりました。このテーマはあらゆるものをデジタル化しようとする動きを加速させました。一例として、現在ではほとんどの企業がハイブリッド・ワークを行っています。週に数日、出社する人もいれば、フルリモートで仕事をする人もいます。まさにデジタル化の恩恵といえるでしょう。医療の分野でもデジタル化が進み、いよいよ遠隔医療が現実化します」

 このデジタル・トランスフォーメーションのベースになるテクノロジーは、AIです。生成AIであるChatGPTが2022年11月にリリースされて、一気に普及してきました。医療とAIという観点で考えると、たとえば新薬開発の時間を短縮できる可能性が高まります。

 新薬を開発するためには、さまざまな種類の膨大な情報を収集しながら実験する必要があります。この手間を、AIの活用によって一気に短縮できる可能性があるのです。結果、新薬開発にかかるコストを大幅に下げることもできるでしょう。

 自動車の自動運転もAIの得意とするところです。WHO(世界保健機関)のデータによると、毎年119万人が交通事故で命を落とし、2000万人から5000万人がケガを負っているそうです。実はこうした事故の94%は、ヒューマンエラーが原因だそうです。

 自動運転が普及すれば、確実に自動車事故による悲劇を減らせるでしょう。これはテスラ社のケースですが、EVの自動運転タクシーを全米の大都市で展開するロボタクシー計画が進んでいます。

 EVを動かすのに必要な電気は、ソーラーパネルで太陽光を利用するということです。タクシーにとっての二大コストは、ドライバーの人件費とガソリン代です。EVの自動運転タクシーが普及すれば、二大コストを一気に削減できます。既存のタクシー会社にとっては、まさに破壊的イノベーションでしょう。

 2024年6月、アーク社はそんな テスラの2029年の目標株価を2600ドルと発表しました。2024年10月25日現在、269ドルのテスラ株が5年でほぼ 10倍になっていくのか、非常に興味深いところです。(註:2024年12月25日現在は約462ドル)

破壊的イノベーションその4 「メタバース」

 そして最後の破壊的イノベーションである「メタバース」については、このように説明しています。

「メタ・プラットフォームズ(旧フェイスブック)は、仮想世界であるメタバースに社の将来を託しました。若者が使う自由裁量時間の半分以上はオンライン上で費やされています。仮想世界はこの先も進化を続け、特に若者の成長にともない、消費の面でより大きな部分を担うようになると私たちは考えています」

 目新しいイノベーションが登場すると、必ずそれを否定する人が出てきます。たとえばiPhoneが初めて世に登場した時、「あんなものがビジネスで使われるはずがない」と言ったのは、当時のマイクロソフトのCEOでした。

 タッチパネル式で物理キーボードが存在しない。それも1機500ドルもする。当時、この手の端末には必ず物理キーボードが付いており、スマートフォンの元祖であるブラックベリーもそうでした。

 昔の話になりますが、テレビが世に出てきた時も、映画業界からは「絶対にテレビは流行らない」という声が上がったそうです。

 フィンテック、宇宙船、モバイル決済、自動運転、メタバースも、必ずこれらに反対の声を上げる人がいます。でも、時間の経過とともに、これらは徐々に人々の間に受け入れられていくでしょう。こうしてイノベーションが進んでいくのです。

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 この記事の後編では、引き続き『本当に資産を増やす米国株投資』(ビジネス社)より、一部で懸念される「2025年米国株バブル崩壊」の可能性について、岡元氏の分析をご紹介する。

『本当に資産を増やす米国株投資』(岡元兵八郎著、ビジネス社)

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【著者の紹介】
岡元兵八郎(おかもと・へいはちろう)
マネックス証券の専門役員。専門である外国株のチーフ・外国株コンサルタントのほか、マネックス・ユニバーシティ投資教育機関のシニアフェローも務める。元Citigroup/米ソロモンブラザーズ証券のマネージング・ディレクター。外国株に30年以上携わるプロフェッショナルで、関わった海外の株式市場は世界54カ国を数える。海外訪問国は80カ国を超える。米国株はもちろんのこと、新興国の株式事情にも精通している。ニックネームは「ハッチ」。Xアカウント名 @heihachiro888

デイリー新潮編集部

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