駅伝3冠を目指す國學院 院在学中「相川七瀬」が明かす、エース平林との交流秘話
走れなかった選手の想いも襷に乗せて
相川さんはデビュー30周年となった昨年11月、ミニアルバム「SPARKLE」をリリースした。そこに収録された「襷をつなげ」は、その名の通り駅伝をテーマにした楽曲だ。
「実際に沿道から箱根駅伝を見て、そこで応援している人たちの熱を感じたとき、これは歌になる、と思いました。箱根は出場校すべての選手が速いんですが、その中でも1番を競う大会。もちろん3位までのチームが脚光を浴びるんだけれど、なんとか襷を繋ごうと20位を走っているチームとか、シード圏をかけた10位の攻防戦とか、それぞれにすごいドラマがあります。たった1秒が、たった3秒が間に合わないとか、それはものすごく苦しい。選手は大会の後も、それを背負って生きていかないといけないし。そんな選手を支えてきたみんなの想いが、あの襷に乗っているわけです」(相川さん)
2年前、完成前のデモテープを聴いた前田監督の反応は――。
「『これは箱根を知っている人の歌だよ』と言ってくれました。選手たちが繋ぐ襷には、沿道で応援しているお母さんとか、給水係として選手を支える走れなかった同級生とか、みんなの想いが乗っています。彼らだけが選ばれたスターじゃないってことは、彼らが誰よりも分かって走っている。監督もそういうことを分かって、彼らをマネジメントし、リードしていくわけです。そういう部分も表現できればと思い作った曲なので、そう言ってもらえて嬉しかったです」(同)
こんなエピソードも。
「前田監督は歳が私の1つ下。野球部の鳥山泰孝監督も私と同い年の同年代で、よく3人でご飯に行くんです。デモテープを聞いてもらったのもそういうタイミングで、前田監督は『これはやばい、泣けるんだけど』って(笑)。大会期間中はデリケートなので、一緒にご飯を食べるのは控えていますが、連絡は取り合っています」(同)
当日も「1区と10区は絶対に応援に行く。できれば、沿道で選手の応援をしたい」と話す相川さん。皆の想いを乗せ、國學院は大学駅伝三冠を果たすことができるだろうか――。
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