駅伝3冠を目指す國學院 院在学中「相川七瀬」が明かす、エース平林との交流秘話
「居ても立っても居られなくなり、出雲に飛びました」
そのメッセージに「頑張って」と返事すると、平林選手はさらにこんな決意を明かしてくれたという。
〈連絡ありがとうございます。出雲の地で神在月に、神様の力をお借りして、國學院らしい走りで優勝できるように頑張りますので、テレビで応援してください〉
11月は旧暦で「神無月」と呼ばれるが、それは八百万の神々が出雲の地に集い、神様が不在になるため。いっぽう神々が集う出雲だけは、「神在月」になる。
「神学の学び舎である國學院らしいメッセージだなと、感動しちゃいました」(相川さん)
居ても立っても居られなくなった相川さんは、急遽飛行機を押さえ、時差ボケのまま現地に駆け付けたという。
「平林くんがカーブを曲がって来て、襷がチラリと見えたときの感動は……、本当に震えるようなものがありました。一番で走ってくるって、こういう感じなんだと思って……。腕を空にバッとあげて走って来たのを見て、本当に来て良かったなっていう気持ちと、今までの國學院と違うんだ、違うフェーズに入ったんだなと、実感した瞬間でした」(同)
全日本駅伝で3年生が見せた成長
力をつけたのは平林選手だけではない。11月に伊勢で開催された全日本駅伝にも駆け付けた相川さんは、ふたたび國學院の強さを目の当たりにする。
「7区では平林くんと、青山の太田蒼生くんとの一騎打ちになりました。太田くんも4年目のすごく実力のある選手です。向こうも青山のエースですから、意地の見せ合いみたいな状況でもありました。最終的には、平林くんが離されてしまったのですが、そのあとに走った上原琉翔くんの走りがすさまじかった」(相川さん)
その姿から、「エースの平林選手や山本歩夢選手だけじゃない」「3年の俺たちが次の世代をつくる」という力強いメッセージを感じたそうだ。
「大会が終わったあと、平林くんと『3年生の成長が収穫だね』と話しました。4年生はみんな卒業していくので、次の國學院を背負うのは3年生の彼ら。これなら安心して3年生に任せられるんじゃないかなって、横で見ていて思いましたね」(同)
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