初の“ライバル”起用に大所帯の防衛チーム…革新的だった「ウルトラマンガイア」はなぜ今もファンを惹きつけるのか

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第1回【「ウルトラマンガイア」放送25年 前作の“女の子走り”のせいで…ボルト入りの足で坂道疾走!“高山我夢”が明かす秘話】のつづき

 1998~99年に放映された「ウルトラマンガイア」は、シリーズ初の“ライバルウルトラマン”ウルトラマンアグルが登場したことも特長だった。主人公・高山我夢を演じた吉岡毅志(45)と八木毅監督(57)が、放送終了から25年が経つ今も人気の同作について語った。

(全2回の第2回)

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まっすぐで純粋な二人

 「ガイア」49話で監督デビューした八木監督は、主人公を演じた吉岡、そして「アグル」の藤宮博也を演じた高野八誠(46)についてこう語る。

「二人は(メイン監督の)村石宏實監督がキャスティングしたけれど、実際に我夢と藤宮を見て、さすが村石さんだなと。最初の頃の芝居は、(終盤に比べて)上手くないけど、本質を見ていたというか。千葉・房総のロケで初めて撮影中に揃いましたが、真っ直ぐな、すごく純粋な二人でした」

 劇中では、互いに地球を救いたいと考えながらも、人類は不要と考えるアグルと、人類も救いたいガイアとの関係が描かれた。ウルトラマン同士の争いが前半の話の軸となったが、後に地球人類の破滅を願う「根源的破滅招来体」に突き動かされていたと知った藤宮=アグルは、自身の光を我夢=ガイアに託して消える。第26話の「決着の日」のエピソードだ。

 吉岡がいう。

「『決着の日』の撮影終了後、八誠から『じゃあ俺いなくなるけど、あとはよろしくね。俺がいなくても頑張れ』って言われたんです。切磋琢磨して、芝居の上でも二人とも成長してきたところで、スッといなくなった。ひとりぼっちの感覚もありましたが、藤宮からもらった光で地球を支えていくことはすごく意識しました。その後にアグルが一切出ないことはないと思っていたんですが、一旦は二人の中でバトンの受け渡しをしたんです」

 後にアグルは復活し、両ウルトラマンは地球滅亡の危機に立ち向かう。ウルトラマン同士の心は通じ合ったが、撮影現場でも2大ヒーローは心を交わしていたのだ。

平泉成、渡辺裕之、宇梶剛士…本格的な防衛チーム

「ガイア」は防衛チームの人数が多いことも特長。我夢が所属する「XIG(シグ)」は本格的な防衛チームとして描かれ、常任参謀に平泉成、オペレーション・クルーのコマンダーに渡辺裕之、チーフに宇梶剛士が出演。ほかにトップガンや力持ちなどが所属する、特色あるチームが6部隊も登場した。

「渡辺さんはテレビで見ていた人だから緊張しました。でもコマンダーとして我夢を育てなきゃという感じで、僕の姿勢が悪いときには『我夢、猫背になってるぞ』と注意してくれたり、目の芝居から台詞のパスをもらったり。すごく空気を作ってくださった。宇梶さんはよく飲みに連れて行ってくれました。(チーム・ライトニングの梶尾克美リーダー役の)中上雅巳さんらと一緒にからかってくれたりして」(吉岡)

 2023年11月に行われた円谷プロの最大のイベント「TSUBURAYA CONVENTION」では、ガイアイベントが開催され、吉岡、高野、中上ら8人の出演者が参加した。撮影当時の思い出などを披露し、大喝采を浴びた。今も出演者の絆を感じ取った客も多かった。

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