卒業生が明かす「朝鮮学校」のヤバすぎる内情 クラス委員はまさかの“世襲制”

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 NSC大阪43期生の吉本芸人・パクユソン氏は、小中高の12年間を朝鮮学校で過ごした経歴を持つ。そこで行われていたのは見事なまでの“北朝鮮民族教育”だったそう。多くの同級生たちが“赤く”染まっていくなか、違和感を持ち続けていたユソン氏が、当時のヤバすぎる学園ライフを振り返る――。

(前後編の前編)

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※この記事は『面白くてヤバすぎる!朝鮮学校』(パクユソン著、ビジネス社)の内容をもとに、一部を抜粋/編集してお伝えしています。

音楽の授業で教わるのは金一族か社会主義を讃える曲ばかり

 朝鮮学校は音楽の授業で日本の曲を習わない。すべて朝鮮の曲を習う。北朝鮮と韓国が分断される前の朝鮮の曲、そして北朝鮮の曲だ。朝鮮総連や朝鮮学校で作られた曲も習う。ただ朝鮮学校に通っていた12年の間に、日本の曲を習ったことが一度だけあった。

 小学2年生の頃に音楽の先生が『世界に一つだけの花』を教えてくれた。「良い曲で流行ってるし、絶対知っていたほうがいいから」と言っていた。朝鮮学校は「日本語」の授業中以外は朝鮮語で話さないといけないので「ほかの先生たちには内緒ね」と言いながらピアノを弾き始めたことを、今でも忘れない。

 とにかく小学1年生から朝鮮の曲を習い始め、学年が上がるごとに歌詞はどんどん過激になっていく。最初はソフトな曲ばかりだったのに、気がつけば完全なる北朝鮮の曲を歌わされていた。

 北朝鮮の曲がどのようなものだったかというと、金一族をただただ褒め讃えるだけの曲、もしくは社会主義国家は素晴らしいといった曲だ。歌はほぼ、この2本立てだった。毎回、“一生金正恩について行きます”的な曲を歌わされていたのだ。

『翼をください』も歌ってみたかった

 高校1年生までは全員音楽の授業を受けるが、2年生になると選択授業になり音楽か美術のどちらかを選ばないといけなかった。僕は音楽を選んだ。というのも、高校の音楽の先生はおしゃべりが好きな方で、45分授業のうち20分近くはずっとしゃべっているので、授業はとても楽しかったのだ。

 授業では北朝鮮の曲も歌ったりしたが、朝鮮学校で作られた曲をよく歌っていた。毎年行われる文化祭、そのテーマソングを音楽の授業を選んだ3年生が手がけることになっている。 僕も高3の時期に、曲作りに参加した。

 文化祭では毎年、テーマソングは似通った内容で、朝鮮学校を守っていこう的な内容ばかりだった。日本に住んでいるのにもかかわらず、日本語の曲を歌うのを禁じられていたなんて……。 僕は日本の曲も教わりたかった。 日本の学校なら絶対に教わるであろう『翼をください』も教わらなかった。

「この大空に 翼を広げ 飛んで行きたいよ」
「悲しみのない 自由な空へ 翼はためかせ〜」

 校内で歌ってみたかったけれど、北朝鮮を支持している朝鮮学校でこの歌詞を口ずさむとややこしくなるので、控えたほうが良さそうだ。

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