「ネトフリ」「アマプラ」ドラマを押さえてベスト1に選ばれた「地上波作品」とは?…辛口コラムニストが選ぶ2024年「ドラマ総まくり」

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コンプライアンスの違い

アナ:日本以外にも市場を持つ外資サブスク配信系は、制作コストも国内勢よりかけられるからと黒船扱いさえされました。

林:実は制作費そのものはニッポンのキー局と激しく違うわけでもなそうだけれど、スポンサー→広告代理店→テレビ局→制作会社という中抜き構造のなかでカネが消えるとか、芸能事務所の顔色をうかがってのキャスティングが優勢されて面白い企画が流れるとか、そういうニッポンのドラマ界の旧弊・悪弊から距離が置きやすいことは確かみたいね。キー局にはできないドラマづくりを彼らはやれているから。

アナ:私もそう感じます。

林:一番わかりやすい例は、「地面師たち」や「極悪女王」が、あのピエール瀧や、あの剛力彩芽、あの唐田えりかというワケありな演者を大胆に起用して、話題づくりにも作品づくりにも活かしてること。

アナ:ですよね。あのリスク高めな配役は、今のキー局にはなかなかできない……。

林:瀧が薬物使用で受けた有罪判決は執行猶予つきだったし、剛力のくっついたり別れたりや唐田の不倫だの不貞だのは違法でさえない。いつまでも起用を控えるのはコンプラのやりすぎなのにね。

アナ:あ、その話もひょっとして、次のランキング発表の伏線ですか?

林:あああ、皆まで言うな、皆まで言うな。

ベスト1に選ばれた理由とは?

アナ:では、2024年の連ドラベスト3、いよいよ……

林:第1位を発表します。ドゥルルルルルルルルルル……ッ!

▼「不適切にもほどがある!」【TBS系/金曜22時/1月期】

 ……です!

アナ:おおお、やっぱり! コンプライアンスの話の後に続くのならこのドラマだなと。そもそも、この番組でも毎回、不適切な発言ばかりしてカットされる林さんだけに、年間ベストに選んできておかしくないと踏んでいました。

林:ふふ。ふふふふふふ。

アナ:なんですか、その不気味な笑いは?

林:このワタシが、いかにもベスト1に選びそうな作品を素直にベスト1に選ぶなんておかしいと思わない?

アナ:そう言われてみれば、天性の天邪鬼の林さんが、こんなストレートな選考をするなんて……。本当に気に入っている作品なら、あえてワースト1に選んだり、あるいはベスト1に別の作品を推した後、さらにその上に位置づけたり、そういうことを延々繰り返してきたのが林さんでした。変です。妙です。おかしい。ありえない……。いったい、どういうつもりなんです?

林:ふふ。ふふふふふふ。その謎解きは、ワースト発表のなかで!

――後編のワースト編では、ベスト1の理由も発表!?

林操(はやし・みさお)
コラムニスト。1999~2009年に「新潮45」で、2000年から「週刊新潮」で、テレビ評「見ずにすませるワイドショー」を連載。テレビの凋落や芸能界の実態についての認知度上昇により使命は果たしたとしてセミリタイア中。

デイリー新潮編集部

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