親に会えるのもあと何回…帰省の今こそチャンス「簡単だけど効果大」な親孝行3選
おすすめ親孝行その2 「親の昔話を聞く」
子どもは自分が生まれる前の親の姿を知りません。親が亡くなったあと、「親の 若い頃の話を、もっと本人に聞いておけばよかった」と悔やむ声をよく耳にします。自分のルーツを知りたいという思いは誰にでもあるもの。それを早速、実行しましょう。
親にとっては、子どもが自分に興味を持って耳を傾けてくれるのはうれしいことですし、前述したように、昔に思いを巡らせることは、脳を活性化させ、心身によい影響を及ぼします。
「お母さん、子どもの頃、何が得意だったの? 国語?音楽?」
「お父さん、高校 時代は野球部で、女子にモテたってホント?」
と自分が興味あることや、親が喜ん で答えそうなことを質問して話を引き出してみてください。両親の出会いや、昔の恋愛についても話を向けると、親は当時に戻って華やいだ気持ちになるかもしれません。
「お父さんとどこで出会ったの? どこがよかったの?」
本人(父)がいると 照れて言えなかったりするので、母親一人のときに聞いてみましょう。父親に「独身の頃、どんな人とつき合っていたの?」なんて過去の恋愛を探ってみてもいいかも。「そんなこと言えるか」と苦笑いされるだけかもしれませんが、こうした質問を重ねることで、今まで聞いたこともないような話が飛び出し、自分が知らない親の一面に触れることができます。
思い出の地を一緒に訪れるのもおすすめ。たとえば、親の実家や、親が新婚時代を過ごした場所。そこで懐かしい人々と会って話せば、さらに記憶が次々と呼び覚まされます。もう実家や新婚時代の建物がなければ周辺を歩くだけでも、親は「新婚の頃、よくふたりでこの神社にお参りに来たわ」と当時の様子をリアルに思い出すはず。そういう話を聞けるのは子の幸せでもあります。
ただし、親に昔話を聞くとき、決して無理強いしないように心がけてください。質問をして「もう忘れた」「今更、言えるか」などと口をつぐんだら、それ以上は踏み込まない。言いたくないこと、思い出したくない過去もありますから。
おすすめ親孝行その3 「同じ部屋でふとんを並べて寝る」
子どもの頃、和室にふとんを並べて親と川の字になって寝た経験はありませんか?親が傍にいるという安心感はかけがえのないもの。それを今度はお返ししましょう。
帰省のときや親が泊まりに来たとき、ふとんを並べて父や母の傍で寝るのです。たとえば夏ならば、蚊帳を吊ったり、蚊取り線香を焚いたりして、昔を再現し、「小さい頃、こうして蚊帳を吊ったよね」と、当時の思い出を語って懐かしむのも一案です。
枕を並べて会話するのは楽しいものですし、親もリラックスして、心地よく眠りにつけるでしょう。高齢になると、排尿障害や服薬の影響などで夜中に何度もトイレに行くなど、排 泄と睡眠の悩みを抱える人が増えます。
この機会に、できれば親のトイレの回数を確認し、場合によってはトイレに同行する。また、大きないびきをかいていないか、睡眠時無呼吸の症状がないか、もチェックを。
そうした症状がわかれば、早めに受診して治療できます。親が傍で寝ているときにしかできない恩返しです。
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この記事の前編では、同じく『親への小さな恩返し100リスト』(主婦と生活社)より、“人生100年時代”だからこそ実践したい親孝行をご紹介。「化粧のアドバイス」から、はては「親の恋バナ」まで。親の健康維持にも効果大な“小さな恩返し”とは――。