年間478本「番組出演本数ランキング」4位に上り詰めた意外な芸人 きっかけは「ラジオ」だった

エンタメ 芸能

  • ブックマーク

無理をしない自然体

 お笑いコンビ・アルコ&ピースの平子祐希が「2024タレント番組出演本数ランキング」で4位に輝いた。ニホンモニター株式会社が公表するこのランキングで彼がここまで上位に食い込んだのは初めてのことだ。

 ***

 彼自身はこの結果について、自身のYouTubeチャンネルで「身に余る光栄」「ありがとうございますっていうのは大前提の話」としながらも、上位にランクインしている澤部佑、設楽統、川島明といった芸人たちと自分は一緒にしてはいけないのではないかと語った。

 平子以外の上位ランカーは、出演番組の大半でMCを務めており、自分の責任で番組を回している。平子もMCをやっていないわけではないが、それ以外の役回りで呼ばれる機会の方が多い。そんな自分と彼らが肩を並べているとは思わない、と謙虚さを見せていた。

 年間478本もの番組に出演して、毎日のようにテレビに顔を出しているとは思えないほど、平子は常に控えめで謙虚な態度である。テレビに出ても大声を張り上げて制圧するような場面は少なく、落ち着いたトーンで冷静に話をしていることが多い。芸人としてはやや地味な印象のある彼が、ここまで重宝されているのはなぜなのか。

 アルコ&ピースが世の中に知られるきっかけになったのは、2012年に漫才コンテストの「THE MANZAI」で準優勝したことだった。ここで彼らは演技力を生かした漫才で大爆笑を勝ち取り、視聴者に強い印象を残した。その後、「笑っていいとも!」(フジテレビ系)のレギュラーにも選ばれ、少しずつテレビの仕事が増えていった。

 しかし、彼らのテレビタレント業は最初から順調だったわけではない。2人ともグイグイ前に出るタイプではないし、大きい声を出したり派手な動きをしたりする芸風ではない。それでいて切れ味鋭いボケやツッコミのフレーズで笑わせるという感じでもない。瞬発力やわかりやすさが評価されるテレビの世界では、彼らのスタイルはなかなか受け入れられなかった。

 そんな彼らが最初に持ち味を発揮し始めたのがラジオの世界だった。「アルコ&ピースのオールナイトニッポン0」(ニッポン放送)が始まると、これが好評を博した。余分な力が抜けていて、自然体で話す2人のトークスタイルは、まさにラジオ向きだった。

 ラジオはテレビに比べると受け手との距離が近い。若いリスナーに優しく寄り添う兄貴分のような空気感を持っている彼らは、ラジオの仕事を通して、自分たちのキャラクターの生かし方を少しずつつかんでいった。

 その後、テレビでもどんどん仕事が増えていった。平子はコンビとしてだけではなく、単独でも多くの番組に出演するようになった。

次ページ:芸人としては逆に新鮮

前へ 1 2 次へ

[1/2ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。