「落語ができなくなったら生きていてもしょうがない」 隠れた実力者「立川ぜん馬さん」の芸を磨き続けた人生
唯一無二の落語家と称賛された立川談志さんが亡くなったのは2011年。その初期の弟子である立川ぜん馬さんは、師匠の江戸落語を継承していると高く評価されてきた重鎮である。
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落語立川流の顧問を務めていた作家の吉川潮さんは振り返る。
「ちゃんとしている、というのは師匠からのほめ言葉ですが、芸も人柄も信用し、安心して認めていました。温厚で毒気がなかった」
落語評論家の広瀬和生さんも言う。
「門下で傑出した才能の持ち主でした。...