「何度、農薬やロープを持ち出したことか…」“頂き女子りりちゃん”に3800万円を騙し取られた50代男性「月給20万円」「自宅はゴミ屋敷」の困窮生活
支援者は「具体的な弁済方法はまだ固まっていない」
プロジェクトを運営している支援者はAさんの訴えについてどう思っているのか。合同会社の共同代表を務め、裁判で渡辺被告の情状証人として法廷にも立った作家の草下シンヤ氏に話を聞いた。
「Aさんから連絡は受けていたもののお返事できなかったのは、弁護士が一本化して対応すべきと考えたからです。ただ3人の被害者にどう集まったお金を分配していくか等の弁済計画がまだ固まっていないのは事実です。期待していたAさんが不信感を抱くのも当然のことで、申し訳なく思っております。初めての試みだったので、会社を立ち上げたものの、渡辺被告が滞納している約6000万円の所得税の支払いと並行してどう弁済を進めていくかの調整などに時間を要したのです」(草下氏)
最近ようやく弁済を始められる環境が整ってきたが、ここに来て新たな問題が生じたと話す。
「まだ状況がはっきりしていないので詳細はお話しできませんが、現在、渡辺さんとの話し合いが中断しているのです。獄中日記の更新が止まっているのもそのためです。『弁済のため』という名目を掲げてこのプロジェクトを始め、すでにnoteの売り上げなど200万円くらいのお金を会社で預かっています。早く収支を公表して弁済活動をスタートさせたいのですが、なにぶん、このプロジェクトは渡辺さんの意思を確認した上で始めた渡辺さんが主体の活動であり、彼女の意向を確認しないと進められないのです。なお私たちはあくまでサポート役でありこの活動で一銭の利益も得ておりません。むしろ会社の登記費用など持ち出しばかりです」(同)
ただ渡辺被告と連絡が途絶えることはこれまでもよくあったことで、プロジェクトが頓挫したわけではないと強調する。
「これまでは詐欺にあった被害者が被害金を取り返せることはほぼありませんでした。社会実験的な取り組みですが、始めた限りはなんとか成功させたいという気持ちです。弁済のために加害者と連携した経済活動を行うのは手探りの活動であり、税務署などとも協議を進めながら慎重に行っています」(同)
取材後、草下氏から「Aさんに対するお詫びを載せて欲しい」とメッセージが届いた。
〈地裁判決後、Aさんがホストから被害回復されるような説明をYouTubeでしてしまいましたが、別の被害者にホストから弁済されるものでしたので、この場をお借りして、誤報の謝罪と訂正させてください〉
後編【“頂き女子りりちゃん”に3800万円騙し取られて…50代被害男性が「騙されていると薄々気づきながら、苦しみ抜いて書いたラブレター」】では、Aさんが渡邉被告に向けて書いた「3通の手紙」を全文公開している。